ゴミ収集車が走る道は、インフラ点検の目となる道

みなさん、こんにちは。

私たちの街を支えるインフラ。道路、電柱、橋、下水道など、その存在は当たり前すぎて普段意識することは少ないかもしれません。

しかし、これらのインフラは常に老朽化が進んでおり、適切な維持管理が不可欠です。

もし、道路に大きなひび割れや穴ぼこができても放置されていたら、事故につながる可能性もあります。電柱が腐食して倒れてしまったら、停電を引き起こし、私たちの生活を脅かすでしょう。

今回は、IoTの力を活用して、インフラ点検の課題を解決する方法をデザインしてみたいと思います。

 


 

従来のインフラ点検の課題

インフラの点検は、専門の業者が定期的に行うのが一般的です。しかし、この方法にはいくつかの課題があります。

  • コスト
    点検には人件費や機材費がかかり、広範囲にわたるインフラを網羅的に点検するには莫大な費用が必要です。
  • 頻度
    人手による点検は時間と手間がかかるため、どうしても頻度が限られてしまいます。そのため、劣化が進行しても早期に発見できない場合があります。
  • 網羅性
    従来の点検方法では、隅々まで網羅的に点検することが難しい場合があります。特に、狭い路地や住宅街など、点検車両が入りにくい場所は、見落とされがちです。

 


 

そこで、こんなサービスがあったら

 

これらの課題を解決するために、私はこんなサービスを提案したいと思います。

「家庭ごみ収集車をインフラ点検プラットフォームとして活用する」

どういうことか、具体的に説明しますね。

1. 家庭ごみ収集車をインフラ点検プラットフォームとして活用

普段、何気なく走っている家庭ごみ収集車。実は、この家庭ごみ収集車こそ、インフラ点検に最適な存在なのです。なぜなら、以下の強みがあるからです。

  • エリアカバレッジ
    家庭ごみ収集車は、一般車両よりも狭い路地や住宅街、そして時には繁華街まで走行します。つまり、通常の点検では把握しきれない「隅々」のインフラ状況を網羅的に記録できるのです。
  • 定期性
    既存の家庭ごみ収集スケジュールに合わせて定期的にデータが収集されるため、時間経過によるインフラ劣化のトレンドを把握することができます。

これらの強みをインフラ点検に活かすために、家庭ごみ収集車に以下のセンサーを搭載します。

  • GPS
    正確な走行ルートや停車位置を記録し、どのエリアのインフラが点検対象となるかを明確化します。
  • 高解像度カメラ
    家庭ごみ収集車の走行中に道路表面のひび割れ、穴ぼこ、舗装の劣化、電柱の腐食や構造上の不具合などを撮影し、AIで自動解析します。
  • 超音波センサー
    カメラでは捉えにくい路面の凹凸や、電柱の内部劣化を超音波で検知します。
  • 環境センサー
    振動や温度、湿度センサーを活用し、路面の異常振動や、電柱の温度上昇など劣化の前兆を捉えます。

2. センサーの装着位置

各種センサーは、以下の位置に装着することを想定しています。

  • カメラ
    車両のフロントガラス付近に設置し、広範囲の道路状況を撮影します。
  • 超音波センサー
    車両のバンパー付近に設置し、路面や電柱に近づけて詳細な情報を取得します。
  • 環境センサー
    車両の屋根付近に設置し、周囲の環境情報を測定します。

これらのセンサーを適切に配置することで、効率的にインフラの状態を把握することができるのではないでしょうか。

3. なぜ家庭ごみ収集車が最適なのか

道路清掃車などの他の車両にセンサーを取り付ける事例もありますが、家庭ごみ収集車には以下のような点で優位性があります。

  • 走行エリア
    家庭ごみ収集車は、住宅地や繁華街など、事故が起きた場合に最も被害が大きくなるエリアを中心に走行します。これらのエリアのインフラを重点的に点検することで、事故リスクを効果的に低減することができます。
  • 走行頻度
    家庭ごみは毎日、あるいは週に何度も収集されるため、家庭ごみ収集車は定期的に同じルートを走行します。これにより、インフラの経年変化を継続的に把握することができます。
  • 走行速度
    家庭ごみ収集車は、バスなどの他の車両に比べて低速で走行することが多く、場合によっては停車しながら収集作業を行います。これにより、センサーによるデータ取得の精度が向上し、より詳細なインフラ情報を収集することができます。

4. 期待される効果

家庭ごみ収集車をインフラ点検サービス化することで、以下の効果が期待できます。

  • コスト削減
    従来の点検方法に比べて、人件費や機材費を大幅に削減することができます。
  • 効率化
    リアルタイムでインフラの劣化状況を把握できるため、迅速な対応が可能になります。
  • 安全性向上
    事故リスクの高いエリアを重点的に点検することで、事故発生を未然に防ぐことができます。

 


 

まとめ

家庭ごみ収集車の「隅々をカバーする」という特性と、走行中に得られる道路や電柱などのインフラ状態データを掛け合わせることで、以下の効果が期待できます。

  • インフラ劣化による災害発生リスクの低減
  • 早期対応・予防保全による将来的な修繕費用・災害対策費用の節約
  • 事故リスクの高いエリアにおける重点的な点検による安全性向上

IoTの力によって、家庭ごみ収集車が、単なる廃棄物収集手段にとどまらず、都市のインフラ管理に不可欠なデータ収集基盤として活躍することができるのです。

いかがでしたでしょうか。この提案が、少しでも社会の課題解決に貢献できれば幸いです。

本日もお読みいただきありがとうございました。

それでは、よいIoTライフを!

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