福岡の「ハンズオン」イベントは、なぜ「もくもく会」なのか?

みなさん、こんにちは。

本日はエッセイとして、本来のブログタイトル通り「ひとりごと」としてお読みいただけると嬉しいです。

私は2023年に東京から福岡へ引っ越してきました。東京に住んでいた2017年から2019年頃、IT技術者向けのハンズオンイベントによく参加していました。当時のハンズオンイベントは、参加者が実際に手を動かしながら、講師と一緒に新しい技術を学ぶ形式が一般的だったと思います。

 


 

東京でのハンズオンイベントの進行

 

当時の東京でのハンズオンイベントは、以下のような流れで進行していました。

イベント前日まで

基本的な知識とハンズオン用の資料が共有されます。

当日の流れ

  • 当日の内容紹介
    • まず、イベントで何をするのかの説明があります。
  • 前提知識の講義
    • 事前共有されたハンズオンに必要な基本的な知識の講義があります。
  • 講師と共にハンズオン
    • 講師の画面を見ながら、私たちも同じように操作を進めます。講師は事前に自身で試しているので、つまずきやすい点を教えてくれます。そのため、参加者のほとんどがハンズオンの最後まで到達していました。
  • 応用例の紹介
    • 最後に講師から応用例が紹介され、応用資料へのリンクがその場で提供されます。「さらに理解を深めたい方は、帰宅後にご自身で実践してくださいね」という言葉で締めくくられていました。

様々なハンズオンイベントに参加しましたが、ほとんどがこの形式でした。

ハンズオン内容に詳しくない方でも、当日に基礎的な知識を身につけ、復習として応用課題に取り組むことで、最新技術を最短で実践に活かせるようになるという、非常にありがたいイベントで、それはもう本当に助かりました。

 


 

福岡での「ハンズオン」イベントの違い

 

しかし、福岡に来てから参加したハンズオンイベントは、その様相が異なり、正直なところ戸惑いを覚えました。

イベント前日まで

資料が前日までに共有されるのは同様です。事前にセットアップが必要な場合は注意書きがありますが、開発環境のセットアップである場合も多く、PC環境を汚したくない方にとっては少々大変な作業となります。

当日の流れ

  • 運営やスポンサーによる紹介
    • イベント開始時、運営担当者もしくはスポンサー企業の方から、製品やサービスの紹介、新機能の紹介があります。実際にハンズオンで利用するサービスは、ほとんどがスポンサー企業の製品やサービスですので、これは当然のことと言えるでしょう。
  • 前提知識の説明なし
    • しかし、残念ながら、ハンズオンに関する前提知識の説明は一切なく、事前のセットアップについても簡単に触れられる程度です。なぜこのセットアップが必要なのかといった説明があっても良いのではないかと感じました。
  • 「もくもく会」形式のハンズオン
    • 実際のハンズオンでは、運営の方から「資料の通りに進めてください。分からなければ運営に聞いてください」とアナウンスがあり、参加者は各々作業に取り掛かります。まさに、学校のペーパーテストで「テスト開始!」と告げられたような気分でした。
    • おそらく、真の初心者であれば、ここで挫折してしまうのではないでしょうか。勇気を出して運営の方に声をかけた方だけが、手取り足取り教えてもらえますが、運営の人数が限られているため、全員に対応することは困難です。
    • わからない人は、ただ他の参加者の作業を傍観するのみとなってしまいます。作業はステップごとに時間が決められており、時間が来たら次のステップに進むよう運営からアナウンスされますが、最初のステップでつまずいてしまうと、その後の時間はただただ辛いものとなってしまいます。

心の中では「これがハンズオンなのか?これは実質、もくもく会ではないか?」と感じてしまいました。

  • 終了と後始末
    • 予定の時間が来たら終了となります。クラウドサービスを利用する場合、後始末をしないと料金が発生してしまうサービスもありますが、その対処法も簡単にアナウンスされるだけです。参加者が理解していることが前提となっているようです。
  • ライトニングトーク
    • その後、ライトニングトークが開催されます。知識の共有は非常にありがたいのですが、ハンズオンの内容とはあまり関係ないものがほとんどです。前日にしかハンズオン資料が共有されないにもかかわらず、ライトニングトークは事前申し込み制であるため、イベント内容との関連性が薄いのは当然と言えるかもしれません。

そう、福岡のハンズオンイベントは、実質的に「もくもく会」だったのです。講師が初心者に教えるイベントというよりは、エンジニア同士の互助会イベントと表現する方が適切だと感じます。

福岡で複数のハンズオンイベントに参加しましたが、この進行方法が主流のようです。

このような形式のハンズオンは、今ある知識の範囲内でもくもくと作業し、他のエンジニアと比較して自身の現在のスキルレベルを把握するという、比較的プレッシャーの強いイベントです。ハンズオン内容に詳しくなければ、挫折するか、危機感を持って必死に調査し追いつく覚悟が必要だと感じました。

 


 

この違いの背景にあるものは?

 

一体、この違いはどこから来ているのでしょうか?

  • 運営の人数が足りないためでしょうか?
  • 事前準備に膨大な時間を要するためでしょうか?
  • あるいは、そもそも初心者対象ではないのでしょうか?

謎が深まるばかりです。もしかしたら、東京のハンズオンイベントも同様の「もくもく会」形式に変化しているのかもしれませんが、なぜこのような運営が主流になったのか、本当に知りたいと思っています。もしご存知の方がいたら、ぜひ教えてください。

個人的には、ハンズオンイベントは、初心者が安心して参加できる、技術者の裾野を広げる非常に重要な機会だと考えています。「基本的なことは理解している」という方だけが「もくもく会」的に作業を進めれば良いのであって、初心者向けに講師が手本を示す形式であるべきだと思っています。

「それなら、あなたが開催すれば良い」というご意見も当然あるとは思いますが、これは私が感じた率直な気持ちです。もしこのブログを読んで、気分を害された方がいらっしゃいましたら、本当にごめんなさい。

ご意見や情報があれば、コメントで教えていただけると嬉しいです!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、よいハンズオンライフを!

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