みなさん、こんにちは。
軽量Linuxディストリビューションとして根強い人気を誇るBodhi Linux。最新版のBodhi Linux 7.0.0は、長期サポート版であるUbuntu 22.04 LTSをベースに、独自のMokshaデスクトップ環境を採用することで、驚異的な軽快さと高いカスタマイズ性を両立しています。
そのコンセプトは「ミニマリズム」。必要最低限のアプリケーションのみを標準搭載することで、ユーザーが本当に必要なものだけを選び、システムを構築できる自由を提供しています。
インストールと初期設定については以前記事にしましたので以下をご参考ください。
しかし、この徹底した「最小限の構成」が、日常的な操作において一つの素朴な疑問を生じさせます。それが、「ファイル検索をどうするか?」という点です。WindowsやmacOSで当たり前の、OSレベルでの直感的なファイル検索機能は、Bodhi Linux 7.0.0の標準環境には搭載されていません。
今回は、Bodhi Linux 7.0.0におけるファイル検索の現状を解説し、特にGUI環境に慣れたユーザーにとって最も実用的で快適な解決策、Catfishの導入とファイルマネージャーThunarへの統合手順をご紹介します。
Bodhi Linux 7.0.0 標準環境の「ファイル検索事情」
なぜ、標準でファイル検索機能がないのでしょうか。それはBodhi Linuxが目指す「軽快性」と「ユーザーによる選択」という思想にあります。
標準で「Catfish」は含まれない
Ubuntu系の軽量ディストリビューションで定番のGUIファイル検索ツールといえば「Catfish」です。シンプルながらファイル名、内容、メタデータ検索など多様な機能を持ち、多くのユーザーに愛用されています。
しかし、Bodhi Linux 7.0.0の標準インストールでは、このCatfishは含まれていません。ブラウザ(Chromium)、ファイルマネージャー(Thunar)、端末など、本当に核となるツールだけがプリインストールされているのです(LibreOfficeなどが追加されるAppPack版でも同様です)。
つまり、GUIベースの便利なファイル検索機能は、ユーザーが自分で追加導入する前提となっているわけです。
標準で想定されている検索手段
Bodhi Linuxの開発側が想定しているのは、主に以下の2つの方法です。
| 検索手段 | 特徴 | 検索範囲 | 難易度 |
| Thunar ファイルマネージャーの簡易検索 | 標準搭載のファイル名検索。 | 現在のディレクトリ内のみ。 | 低 |
| コマンドラインツール | find, grep, locate などのCLIツール。 | システム全体、ファイル内容まで強力に検索可能。 | 高(初心者には敷居が高い) |
強力なCLIツールを活用すれば検索は可能ですが、GUIに慣れたユーザーや初心者が日常的に使うには、やはり手間がかかります。
Catfishを導入し、Windows/macOSライクな検索環境へ
そこで、Bodhi Linuxの「軽快性」を損なうことなく、実用的なファイル検索を実現する最適解が、軽量GUIツール「Catfish」の導入と統合です。
Catfish導入のメリット
- 直感的なGUI操作
- ファイル名の一部を入力するだけで、瞬時に結果が表示されます。
- Ubuntuベースで簡単インストール
aptコマンドで簡単に導入できます。
- Thunarとの親和性
- 標準ファイルマネージャーのThunarと連携させることで、さらに便利になります。
Catfishのインストール手順
Bodhi Linux 7.0.0はUbuntuベースなので、パッケージ管理システムaptを使って簡単にインストールできます。
sudo apt update
sudo apt install catfish
実践編 – ThunarにCatfishを統合する具体的な手順
Catfishをインストールしたら、標準ファイルマネージャーのThunarから、Windowsの右クリック検索やmacOSのFinder検索に近い感覚で呼び出せるように設定しましょう。Thunarの「カスタムアクション」機能を利用します。
1. Thunar カスタムアクションの設定
- Thunar を開きます。
- メニューバーから 編集 → アクションの設定 を選択します。

- ウィンドウが開いたら「+」をクリックします。アクションの作成ウィンドウが開くので、以下の情報を入力します。
| 項目名 | 設定値 | 補足 |
| 名前 | Catfishで検索 | 右クリックメニューに表示される名前です。 |
| コマンド | /usr/bin/catfish %f | Catfishを実行し、選択したディレクトリ(%f)を検索対象とします。 |
| アイコン | Catfishアイコン(任意) | 検索しやすいアイコンを選択します。 |

2. 「登場する条件」の設定
続けて「登場する条件」タブに切り替え、以下の項目にチェックを入れます。
- フォルダー

これにより、Thunarでフォルダを右クリックした際にメニューに「Catfishで検索」が表示され、そのフォルダを起点にCatfishが起動するようになります。

3. ショートカットキーの設定(さらに効率化)
Windowsユーザーに馴染み深い「Ctrl + F」で検索ウィンドウを呼び出したい場合は、Thunarのキーボードショートカット設定を利用してCatfishを割り当てましょう。
- Thunarのアクションの設定から「Catfishで検索」を開きます。
- キーボードショートカットのボタンをクリックし、キーバインド例として「
Control + F」を入力します。

これで、ThunarでCtrl + Fを押すとThunarの簡易標準検索のかわりにCatfishが起動し、ファイル検索を開始できます。
まとめ – Bodhi Linuxの「軽さ」と「実用性」を両立
Bodhi Linux 7.0.0におけるファイル検索機能は、その軽量化の思想から、ユーザー自身による選択が求められています。
- 標準: Thunarの簡易検索と強力なCLIツール(find, grep, locate)
- 実用解: Catfish を導入し、Thunarのカスタムアクションで統合
この「Catfish + Thunar統合」のアプローチを採用することで、Bodhi Linuxの最大の魅力である軽快な動作を維持しつつ、日常の作業効率を劇的に向上させることが可能です。
軽量ディストリビューションは「足りないものをどう補うか」というカスタマイズの楽しみがあります。ぜひ、今回の記事を参考に、ご自身のBodhi Linux環境をより快適なものにカスタマイズしてください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいBodhi Linux ライフを!



