【Windows】PCアイコンは見えているのに接続できない!? その原因は「コンピューター名」の日本語かも

みなさん、こんにちは。

Windows では、自分のパソコンに名前を付けられますよね。買ったばかりの状態(標準)だと英数字の羅列になっている場合もあり、設定 → システム → バージョン情報 の「このPCの名前を変更」から好きな名前に変更できます。

「自分のPC」とか「〇〇のノート」といったように、わかりやすく日本語で入力している方も多いはずです。

コンピューター名の変更
コンピューター名の変更ボタン

実はこの日本語コンピューター名、Windows の画面上ではエラーも出ず、普段使う分には何の問題もないのですが……ネットワークで共有しようとした途端に牙を剥くことがあるのをご存知でしょうか?

今回は、家庭内や職場のネットワークで頻発する謎の現象「PCは見えているのに接続できない問題」と、その意外な犯人である「日本語コンピューター名」についてお話しします。

 


 

なぜか「見えているのに」入れない?

 

まずは、よくあるトラブルの状況を整理してみましょう。NAS(ネットワークHDD)や他のパソコンから、目的のPCにアクセスしようとしたとき、こんなことはありませんか?

  • ネットワーク一覧には「山田PC」や「開発マシン01」というアイコンが表示されている。
  • しかし、ダブルクリックすると「アクセスできません」「ネットワークパスが見つかりません」といったエラーが出る。
  • 共有フォルダが開けない。
  • 正しいIDとパスワードを入れても弾かれる。

「アイコンが見えている=ネットワークには繋がっているはず」なのに、中に入れない。まるでガラスの壁があるような、非常にもどかしい状態です。Windows 10 でも 11 でも起きる現象で、原因がわからず何時間も悩み込んでしまうケースも少なくありません。

 


 

なぜこの現象が起きるのか?

 

結論から言うと、「探す仕組み」と「接続する仕組み」で、日本語への対応力が違うからです。

1. なぜ「見えている」のか

Windows がネットワーク上のPCを探す仕組み(WS-Discoveryなど)は、現代的な作りになっており、日本語(Unicode)をそのまま扱えます。 つまり、「おーい、誰かいるかー?」という呼びかけに対して、「『山田PC』だよー!」という返事は正常に届くのです。だから、エクスプローラーのネットワークに日本語名がついたPCアイコンは表示されます。

2. なぜ「接続できない」のか

問題はここからです。いざ接続しようとすると、裏側では DNS や SMB といった別の通信規約が働きます。 ここで重要になるのが、インターネットの古い「お約束」です。

実は、コンピューターの名前(ホスト名)に関する国際的なルール(RFC 952/1123)では、基本的に「使えるのは半角英数字とハイフン(-)だけ」と決められています。

  • Windows の言い分
    • 「僕は日本語も扱えるから、画面には表示してあげるよ」
  • ネットワーク機器(ルーター・NAS・プリンタ)の言い分
    • 「えっ? コンピューター名って英数字じゃないの? 日本語なんて読めないから、どこにあるか分からないよ(あるいはエラーだ!)」

このように、接続しようとした瞬間に、相手の機器や通信プロトコルが「日本語の文字コード」を解釈できず、「そんな名前のPC、アドレス帳に載ってないよ」と通信を拒否してしまうのです。これが「見えているのに接続できない」の正体です。

 


 

実際にこんなトラブルが起きます

 

この問題、意外といろいろな場面で悪さをします。

  • NASへのバックアップ失敗
    • NAS側が日本語ホスト名を解釈できず、バックアップ先に指定できない。
  • 複合機のスキャン転送エラー
    • 「PCに保存」機能を使おうとしても、複合機が日本語名のPCを見つけられない。
  • Mac や Linux からの接続不可
    • Windows 同士ならギリギリいける場合でも、OS が違うと全く繋がらないことが多い。

 


 

解決策 – コンピューター名を「半角英数字」に変えよう

 

一番確実で、手っ取り早い解決策はこれです。「コンピューター名は半角英数字のみにする」。これに尽きます。

推奨する名前の例

  • PC01
  • YAMADA-PC
  • HOME-WIN11

避けたほうがいい名前の例

  • 山田PC (日本語はNG)
  • Main_PC (アンダーバー _ も一部の古い規格ではトラブルの元になるので、ハイフン - が無難です)

変更手順

最初に触れましたが、Windows のコンピューター名は後から簡単に変更できます。

  1. 「設定」 を開く
  2. 「システム」「詳細情報(バージョン情報)」 をクリック
  3. 「このPCの名前を変更」 をクリック
  4. 英数字の新しい名前を入力して、PCを再起動する

これで、ネットワーク上のモヤモヤが嘘のように解消されることが多いです。

 


 

さいごに

 

「Windows 側で日本語入力を許可しているなら、ネットワークでも使えるようにしてくれればいいのに……」とも思いますが、ネットワークの世界は世界中の様々な古い機器やルールが絡み合っているため、一筋縄ではいきません。

もし、周りで「ネットワークには繋がっているはずなのに、なぜか共有フォルダが開けない」と悩んでいる人がいたら、「そのPCの名前、日本語になってない?」とチェックしてあげてください。もしかすると、その一言で即解決するかもしれませんよ。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、よいWindowsライフを!

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