みなさん、こんにちは。
最近、ニュースやSNSで「AIが急速に普及して、人間の仕事が奪われるのではないか?」という議論を本当によく目にします。
ただ、私はこの問いの背景には、単なる技術的な話だけではなく、「それぞれの世代が歩んできた経験や痛み」が深く関わっているように感じています。
特に、私自身も属している「就職氷河期世代(現在40代後半〜50代前半)」。この世代には、AIに対して人一倍強い恐怖や拒絶感を抱いている方が少なくありません。
それは単に「新しい技術がわからないから」といった理由ではないはずです。むしろ、心の奥底にある「また自分が社会から排除されるのではないか」という苦い体験の記憶が、AIという存在を前にして疼いているからではないでしょうか。
今回は、氷河期世代の一人としての視点から、私たちが抱えるAI恐怖の正体を整理し、この痛みをどう未来への力に変えていけるかを考えてみたいと思います。
氷河期世代が抱える「排除の記憶」
私たち氷河期世代は、社会に出た瞬間から、あまりにも過酷な言葉を投げかけられ続けてきました。
- 「あなたの代わりなんて、いくらでもいる」
- 「正社員で雇う余裕はない」
- 「経験がないなら、採る理由がない」
- 「もう若くないから難しい」
どんなに努力しても報われず、構造的に「選ばれない」という経験を積み重ねてきた世代です。この経験は、単なる苦労話ではなく、「自分はいつでも切り捨てられる存在なんだ」という深い痛みとして、無意識の中に刻み込まれています。
だからこそ、AIの台頭を目の当たりにしたとき、反射的に「また自分が不要になる未来」を予感して恐怖が立ち上がってしまう。私は、この反応は決して個人の弱さではなく、「時代が私たちに刻んだ傷跡」なのだと思っています。
世代によって異なる「AIへのまなざし」
ただし、私が観察したところ、AIに対するスタンスは、その世代が社会に出たときの「前提条件」によって驚くほど違います。
| 世代 | 仕事に対する前提 | AIへの見方 |
| 氷河期世代 | 仕事=生存。既存の枠に自分を合わせるもの。 | 「枠から外される恐怖」。代替されることへの怯え。 |
| ミレニアル世代 | 仕事=自分で作るもの。変化が当たり前。 | 「価値を作るツール」。どう使いこなして自分をアピールするか。 |
| Z世代 | 仕事=選択肢のひとつ。安定を期待していない。 | 「空気のような前提」。あって当たり前のインフラ。 |
氷河期世代にとって、仕事とは「用意された椅子(枠)を奪い合うこと」でした。しかし、その後の世代は「椅子は自分で作れるし、場所も変えられる」という感覚を自然に持っています。この「仕事の定義」の差が、AIを脅威と感じるか、道具と感じるかの分かれ目になっているようです。
語られる「恐怖」と、動き出す「未来」
メディアやSNSで「AIが仕事を奪う!」「人間が不要になる!」といった悲観的なトーンが目立つのには、理由があると考えています。
- マスコミの決定権を持つ層に氷河期世代が多い
- 「恐怖」を煽るほうがニュースとして注目されやすい
- 単純に氷河期世代は人口ボリュームが大きく、声が届きやすい
しかし、実際に現場でAIを使って新しい変化を起こしているのは、ミレニアル世代やZ世代、そして氷河期世代の中でも「意味を再構築できている人たち」です。
世の中で騒がれている「恐怖のシナリオ」は、あくまで過去の延長線上の語り。未来の主流は、すでに別の場所で動き出しているように感じます。
氷河期世代の中にある「二つのAI観」
同じ痛みを共有する氷河期世代の中でも、最近は二つのタイプに分かれつつあるように見えます。
- 【タイプA:恐怖に飲み込まれる】
過去の排除体験が強く、AIを「自分を追い出す敵」として捉えてしまう。 - 【タイプB:意味を再構築する】
「社会に適合しきれなかった経験」を逆手に取り、自分なりの価値を内側で再定義している。AIを「構造変化」として冷静に捉える。
私は、この「タイプB」の人たちこそが、これからのAI時代に非常に重要な役割を果たすと確信しています。
AI時代に必要なのは「仕事の再定義」
歴史を振り返れば、技術革新は常に仕事の形を変えてきました。
「農業 → 工業 → 情報」と移り変わるたびに、古い枠組みは壊れ、新しい価値が「仕事」と呼ばれてきました。
かつては存在しなかった「YouTuber」が職業になったように、AI時代にも必ず新しい価値が生まれます。
今、私たちに氷河期世代に求められているのは、既存の枠に自分を合わせることではなく、「仕事とは何か」を自分自身で定義し直す力です。タイプAからタイプBへ意識を変える必要があるのです。
私たちの「痛み」を、未来への価値に変える
氷河期世代は「排除される痛み」を知っています。それはとても辛い経験でしたが、だからこそ持てる強みがあるはずです。
- 不安を抱える人たちの気持ちが痛いほどわかる(橋渡し役)
- 「正解」が崩れる瞬間を何度も見てきたからこそ、変化に強い
- 技術の便利さに踊らされず、人間の本質を冷静に見つめられる
AI時代、効率化が進めば進むほど、最後には「共感」や「深い洞察」といった人間臭い部分が価値を持ちます。
私たちが抱えてきた「痛み」は、AI時代において他者を支え、新しい仕事の意味を形作るための、かけがえのない資源になるのではないでしょうか。
新しい価値に目を向けよう
AIは私たちを排除するために生まれたのではありません。
もし今、AIに言いようのない恐怖を感じているなら、それは自分の能力のせいではなく、かつての時代の傷が疼いているだけかもしれません。
その痛みを否定せず、少しずつでも「新しい価値」の方へ目を向けてみませんか。私たちは、奪い合うための椅子を探すのではなく、新しい椅子を一緒に作っていける世代になれるはずです。
最近、私がAIについての発信を増やしているのは、同じ時代を生きる人たちが、自分の感情を整理するきっかけになればと願っているからです。
悲観しすぎず、楽観しすぎず。
この変化の荒波を、一緒に乗り越えていきましょう。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいワークライフを!



