みなさん、こんにちは。
普段、マイコンを使って開発をしなければならない場面になると、私はこれまで、M5StackやESP32系をメインに、Arduino IDEでガシガシ開発するスタイルが定石でした。
PlatformIOも試したのですが、過去の膨大な資産(ライブラリやサンプルコード)があるおかげで、なんだかんだ「とりあえずArduinoでいいか」となりがちですよね。
しかし、そんな日常の中でずっと目を背けてきた「ある問題」に、ついに限界が来ました。
その名は「Arduino依存地獄」
Arduino IDEで開発していると、避けて通れないのがライブラリの互換性問題です。
- 昨日まで動いていたコードが、ライブラリをアップデートした途端にビルドエラー。
- 別のPCで環境を再現しようとしたら、微妙なバージョンの違いで挙動が変わる。
- 「どのライブラリの、どのバージョンに依存しているか」が管理しにくい。
正直に言いましょう。Arduino IDEの世界は、油断するとすぐに「依存地獄」に陥ります。
そんな中、久しぶりにRaspberry Pi Pico(ピコ)を触り、最新のVS Code Raspberry Pi Pico拡張を試してみたのですが……。これがもう、腰を抜かすほど快適だったんです。

2026年、ホビーマイコン開発の「最適解」はこれだ
今、Arduinoでの開発に少しでもストレスを感じているなら、迷わずRaspberry Pi Pico + VS Codeへの乗り換えを強くおすすめします。
なぜそこまで言い切れるのか? その理由を紐解いていきます。
1. VS Code拡張が「ほぼ一発」で環境を作ってくれる
かつてのPico開発は「SDKのインストールが面倒」「CMakeの書き方がわからない」といったハードルの高さがありました。しかし、Raspberry Pi公式が提供するVS Code拡張がすべてを変えてしまいました。
- プロジェクト生成
メニューから開発したいプロジェクトを選び
I2CやPIO(Programmable I/O)の設定をGUIでポチポチ選ぶだけ。
- 自動設定
CMakeLists.txtの作成からツールチェーンの管理まで全自動。 - デバッグ統合
SWD(Serial Wire Debug)を使ったステップ実行も標準サポート。
Arduinoのような「環境によって動かない」という不確実性が消え、「誰がどこでビルドしても同じ結果になる」という高い再現性が手に入ります。
2. GitHub Copilotとの相性が「神」
VS Codeを使う最大の恩恵、それはGitHub Copilotをフル活用できることです。
Pico SDK(C/C++)のコード生成能力は凄まじく、「I2Cで温度センサー(BME280)を読むコードを書いて」と入力するだけで、完璧な雛形が出てきます。
- Pico特有のAPI呼び出しを補完
- 複雑なPIOのステートマシンコードも生成支援
- 面倒なCMakeLists.txtの依存関係の調整も提案
「環境構築の自動化」×「AIによるコード生成」が合わさることで、開発スピードはArduino IDE時代の数倍に跳ね上がります。これは一度体験すると、もう戻れません。
ホビー用途なら「Pico一択」と言える理由
もはやホビー開発において、Picoは圧倒的な強みを持っています。
| 項目 | Raspberry Pi Pico (VS Code) | Arduino IDE (ESP32等) |
| 環境の安定性 | 極めて高い(CMakeベース) | 低い(依存地獄になりがち) |
| デバッグ | 強力(ステップ実行が容易) | 弱い(シリアルモニタ頼み) |
| AI支援 | Copilotが最強に活きる | エディタ機能が限定的 |
| ハード制御 | PIOによる超高速・柔軟な制御 | ライブラリ依存 |
ただし「プロダクト化」を考えると見えてくる弱点
ここまでPicoを絶賛してきましたが、冷静に「製品(プロダクト)」として仕立てようとすると、まだ足りない部分も見えてきます。
弱点1 Groveエコシステムの不在
M5Stackなどに慣れていると、Groveポート(コネクタ)が標準でないのは地味に痛いです。センサーを繋ぐたびにジャンパワイヤを刺したり、専用のシールドを用意したりするのは、プロトタイプのテンポを削ぎます。
弱点2 ケース(筐体)の選択肢が少なすぎる
Raspberry Pi 4/5には立派なケースがたくさんありますが、Picoは「基板のまま」使うことが前提のような空気感があります。
- 3Dプリント自作ケース
- アクリル板のサンドイッチ
- 一部のサードパーティ製高品質ケース(C4Labsなど)
これらは「工作」としては楽しいですが、そのまま一般の人に渡す「プロダクト」としては、M5Stackのような完成されたパッケージングには及びません。
依存地獄に疲れたホビイストへ
もし、マイコンの開発をしていて、
- Arduino IDEの謎のエラーに疲弊している
- VS CodeとCopilotでモダンに開発したい
- デバッグをしっかりして、バグを根絶したい
と思っているのなら、今すぐPicoの世界に飛び込んでください。開発体験が劇的に改善され、文字通り「幸せ」になれます。
あとは、「Groveの標準搭載」や「公式のカッコいいケース」といったエコシステムがさらに充実してくれれば、プロダクト用途でもPicoが覇権を握る未来が来るはずです。
QualcommがArduinoを買収したことで、Arduinoのクローズド化が心配される中、Raspberry Pi Pico に転向するなら今が最適な時かもしれません。
今後のPicoエコシステムのさらなる発展に期待しつつ、今は最高の開発環境を楽しみましょう!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいマイコンライフを!



