みなさん、こんにちは。
気づけば2025年も11月。いかがお過ごしでしょうか?
本日はIoTの話ではなく、この時期の切実な悩みの話をさせてください。
「日本には四季がある」なんて言われてきましたが、ここ数年の気候変動を見ていると、もはや「四季」というより「二季」に近いんじゃないかと思ってしまいます。地獄のような猛暑がようやく終わったかと思えば、秋の涼しさを楽しむ間もなく、いきなり冬将軍がドアを蹴破って入ってくる……そんな感覚ではないでしょうか。
今年も例外なく、突然冬がやってきました。
朝、布団から出るのが億劫になり、夜は冷え込みに震える季節。当然、暖房器具の出番です。
しかし、ここで多くの人が直面する「暖房の悩み」があります。
今日は、賃貸住まい・エアコン暖房嫌いの私が3年かけてたどり着いた、「部屋を乾燥させずに暖かく過ごすための最適解」について、じっくりお話ししたいと思います。
賃貸住まいの「暖房の壁」と、乾燥という敵
まず、暖房器具を選ぶ際の条件を整理しましょう。
コストパフォーマンス(燃料費と暖かさのバランス)だけで考えるなら、間違いなく「石油ストーブ」が最強です。灯油のパワフルな熱量は、寒冷地でも頼りになりますし、炎の暖かさは格別です。
しかし、私を含め多くの人が住んでいるマンションやアパートなどの賃貸物件では、「石油ストーブの使用禁止(NG)」という規約が一般的です。火災のリスクや、給油時のトラブルを避けるためですね。
そうなると、必然的にメインの暖房器具は「エアコン」になります。エアコンは安全ですし、最近の機種は省エネ性能も優秀です。スイッチ一つですぐに温風が出るのも便利ですよね。
ですが、ここで最大の問題が発生します。そう、「乾燥」です。
冬場のエアコン暖房による空気の乾燥は、本当に過酷です。
朝起きると喉がイガイガする、目が乾く、そして何より「顔がパキパキになる」。女性はもちろん、男性であっても、肌が悲鳴を上げているのがわかるレベルの乾燥です。
これを防ぐために加湿器をフル稼働させるわけですが、エアコンの温風が直接当たるような場所にいると、どれだけ加湿しても追いつきません。加湿器の蒸気が、エアコンの乾いた風にかき消されてしまうような感覚、覚えがありませんか?
「なんとか乾燥を気にせず、快適に暖房したい」 「風が顔に当たり続ける不快感から解放されたい」
そう考えた私が目をつけたのが、「風を出さない電気ストーブ」でした。
「風を出さない」電気ストーブ選び – 輻射式 vs 対流式
ここで少し、「風を出さない電気暖房」の仕組みについて解説させてください。ここを理解していないと、「買ったけど暖まらない!」という失敗につながります。電気ストーブには大きく分けて2つのタイプが存在します。
1. 輻射式(ふくしゃしき)
熱源から放出される「輻射熱(赤外線)」によって、人や壁、床などの物体を直接暖める方式です。太陽の光を浴びるとポカポカするのと同じ原理です。
- 主なヒーター
- カーボンヒーター、シーズヒーター、ハロゲンヒーター、遠赤外線ヒーター
- 特徴
- スイッチを入れるとすぐに熱を感じます。器具の目の前やまわりにいれば、体の芯からジリジリと暖まるような強力な暖かさが得られます。
- 弱点
- 空気を暖める力は弱いため、部屋全体を暖めるのには不向きです。あくまで「当たっている場所」が暖かい、スポット暖房向けです。
2. 対流式(たいりゅうしき)
こちらは、器具内部で空気を温め、その暖められた空気が上昇する「自然対流」を利用して、部屋全体の空気を循環させて暖める方式です。
- 主なヒーター
- オイルヒーター、パネルヒーター
- 特徴
- 風を出さずに、部屋全体をじわじわと均一に暖めることができます。部屋のどこにいても温度差が生じにくいのがメリットです。
- 弱点
- 空気を介して暖めるため、部屋が暖まるまでにかなり時間がかかります。
私の希望は「部屋全体を暖めたい」かつ「乾燥させたくない」だったので、スポット暖房の「輻射式」単体では役不足。やはり「対流式」のオイルヒーターかパネルヒーターかな、と思っていました。
オイルヒーターの挫折と、パネルヒーターへの希望
実は以前、有名なデロンギのオイルヒーターを使っていた時期がありました。 確かに空気は汚れないし、乾燥もしない、ポカポカとした日向ぼっこのような暖かさは最高でした。
しかし、致命的な欠点がありました。「電気代」です。 オイルヒーターは、内部の大量のオイルを電気で温める必要があるため、立ち上がりに時間がかかる上に、消費電力が物凄く多いのです。最近のエアコンが高い省エネ性能を持っているのに対し、オイルヒーターは電気のエネルギーを大量に消費し続けます。
2シーズンほど使いましたが、毎月の電気代の請求額にめまいがして、泣く泣く使用を止めてしまいました。
そこで浮上したのが、「パネルヒーター」という選択肢です。 パネルヒーターも消費電力自体は高いのですが、オイルではなく「電熱線パネル」を直接温めるため、オイルヒーターより断然早く熱を発することができます。立ち上がりが早ければ、その分無駄な電気を使わずに済むはずです。
様々なパネルヒーター製品をリサーチする中で、一つの興味深い製品に出会いました。
それが、遠赤外線パネルヒーターの「暖話室(だんわしつ)」です。パネルヒーターですが、輻射式です。

輻射式パネルヒーターなのに部屋全体を暖める?「暖話室」の実力
この「暖話室」、知る人ぞ知る名機なのですが、デザインも機能も非常にユニークです。
360度全方向を暖める円柱デザイン
高さ約38cm、直径31cmの円柱形デザインで、なんと360度全方向にパネルが配置されています。見た目はレトロな鳥かごのようで、どこか懐かしい雰囲気があります。
通常、パネルヒーターは片面だけのものが多いですが、この暖話室は「遠赤外線」を全周囲に放射するという特徴を持っています。食卓の下や部屋の中央に置くと、周囲にいる複数人が均等に暖まれます。まさに「暖話室」という名前の通り、家族団らんの中心に置く設計です。
輻射と対流のいいとこ取り
基本は「輻射式」なのですが、360度全方向に熱を放射することで、結果的に「対流式」のように部屋全体をじんわり暖めることができるという、ハイブリッドな性能を持っています。 暖房範囲の目安は6〜9畳。リビングや寝室など、一般的な部屋全体をカバーできます。
便利なワット数切替と省エネ設計
「全方向だと電気代がかかるのでは?」と心配になりますよね。 ですが、この製品は 250W / 500W / 750W / 1000W の4段階切替が可能です。片面でそれぞれ 250W / 500W の切替ができるので、一人で壁際で使う時は半面だけ250Wにして節電することもできます。
信頼の日本製と安全性
群馬県の工場で手作りされているそうで、安全性への配慮も徹底されています。表面には「植毛加工」が施されており、触ってもヤケドしにくい(熱いですが、一瞬触れた程度なら大丈夫なレベル)作りになっています。小さなお子さんやペットがいる家庭でも安心して使えるのは大きなポイントです。
お値段は少々高めでしたが、部屋の乾燥対策、省エネへの期待、そして何より信頼性抜群の日本製です。
「これで冬の乾燥地獄から抜け出せるなら安い投資だ」と決心し、購入しました。
実際に3年使ってみてわかった「真実」
購入してから早3年。実際に使ってみて感じた「リアルな感想」をお伝えします。
メリット – 本当に乾燥しない
これは期待通り、いや期待以上でした。エアコンのような温風が一切出ないので、肌や喉の渇きが劇的に改善されました。「顔がパキパキになる」あの不快感から解放されたのは本当に大きいです。
デメリット – 即暖性はない&足元が冷える
一方で、弱点も明確になりました。 まず、暖まるまでは時間がかかります。エアコンのように「つけて5分で暖かい」とはいきません。 そして、ここが重要なのですが、「空気を強制的に循環させない」ため、暖かい空気が部屋の上の方に溜まりやすいのです。
顔や体はポカポカしていても、床近辺の冷たい空気は動かないため、足元が底冷えします。靴下やひざ掛けは必須アイテムです。
また、あくまで「ほんのり」とした暖かさなので、真冬の寒さが厳しい日などは、マックスパワー(1000W)で稼働させても「これだけでは寒い」と感じることがあります。
人間誰しもデメリットが気になると必要以上に悪く感じるもの。
「あれ? 失敗した?」 最初はそう思いました。
しかし、試行錯誤の末に「最強の運用方法」にたどり着きました。
乾燥知らずで電気代も抑える「ハイブリッド運用術」
私が3年間実践している、暖話室の弱点を補い、長所を活かす運用方法をご紹介します。
1. あまり寒くない日
この場合は「暖話室」のみで運用します。250W〜500W程度で十分快適に過ごせます。
2. 極端に寒い日(真冬)
ここがポイントです。「エアコン」と「暖話室」をリレーさせるのです。
- 急速暖房(スタートダッシュ)
- まずエアコンをONにして、部屋全体を一気に温めます。所要時間は部屋の広さにもよりますが、30分〜1時間程度。この短時間なら乾燥も許容範囲ですが、必要ならこの間だけ加湿器をつけます。
- 選手交代(クルーズ運転)
- 部屋が十分に暖まったら、エアコンをOFFにし、すぐに「暖話室」に切り替えます。
- 保温モード
- 一度部屋が暖まってしまえば、暖話室の遠赤外線効果で、その温度を「保温」するのは得意分野です。壁や床、そして人間の体自体が熱を蓄えているので、エアコンを切っても急激には冷えません。
- 就寝中も、250Wか500Wで運転し続ければ、朝起きた時の部屋の冷え切りを防げます。
この運用に変えてから、快適さが格段に上がりました。 エアコンの風を浴びるのは最初の短時間だけ。その後は無風のポカポカ空間で過ごせます。
気になる電気代は?
「電気ストーブを長時間使うと高いのでは?」と思われるかもしれません。 私も気になって、昨年「エアコン+加湿器」で運用した月と、この「ハイブリッド運用」をした月を比べてみました。
結果は、ほぼ同程度か、むしろエアコン+加湿器の方が少し高いくらいでした。
エアコンも設定温度に達するまでは電力を食いますし、何より加湿器(特にスチーム式など)の電気代も馬鹿になりません。
暖話室を絶えず1000Wで回し続ければ高額になりますが、エアコンでベースを作ってから「維持(250W〜500W)」に使う分には、驚くような金額にはならないのです。
まとめ – 冬のQOLを上げる投資を
この運用スタイルがあまりに快適だったので、最近では仕事部屋用に、同じメーカーの薄型タイプである「夢暖望(ゆめだんぼう)」も買い足してしまいました。こちらはパネル面が一方向なので壁際にスッキリ置け、足元からポカポカと暖めてくれます。

これからの季節、乾燥は肌荒れだけでなく、風邪やウイルスのリスクも高めます。 「たかが暖房」と思わず、自分の健康と快適さのために、暖房器具を見直してみるのはいかがでしょうか。
特に、
- エアコンの風が苦手な人
- 喉や肌の乾燥に悩んでいる人
- 小さなお子さんやペットがいる家庭
これらに当てはまる方には、エアコンと遠赤外線パネルヒーター「暖話室」「夢暖望」との併用スタイル、心からおすすめします。
本格的な寒さがやってくる前に、ぜひ検討してみてください。「暖話室」、いいですよ。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よい暖房ライフを!



