ネットワーク超入門!ハブ、スイッチ、ルーターの違いを分かりやすく解説

みなさん、こんにちは。

家庭内にインターネット回線を引くことが当たり前になり、今や「ハブ」「スイッチ」「ルーター」といった言葉が日常的に聞かれるようになりました。

これらは、ネットワーク機器と呼ばれ、私たちが日常的に使うインターネットやローカルエリアネットワーク(LAN)を支える重要な役割を果たしています。しかし、名前は知っていても、その機能や使い方については曖昧なままの方も多いと思います。

パソコンやスマートフォンなどのデバイスをインターネットに接続する際、データは様々な機器を経由して目的地まで届けられます。この時、どのデータがどこへ行くのかを整理・案内してくれるのが、ネットワーク機器たちの主な役割です。

ネットワーク機器の役割毎にハブ、スイッチ、ルーターが使い分けられているのです。

そこで、今回はハブスイッチルーターの違いと、それぞれの役割について、初心者にも分かりやすく解説していきます。

 


 

1. ハブ(Hub)- みんなに伝えるおせっかいさん(過去の遺物?)

 

HUB
ハブの通信イメージ

昔ながらのハブは、例えるなら「交通整理ができない交差点」です。一つの入り口からデータが入ってくると、それが誰宛のデータであろうと、繋がっている全ての機器に「はい、これ!」とコピーを配っていました。

  • 役割
    • 受け取ったデータをすべてのポートに送信
  • メリット
    • 特になし(強いて言えば安価だった)
  • デメリット
    • 無駄なデータが流れやすく、ネットワークが遅くなったり、セキュリティ上のリスクがあったりする

現在、このタイプのハブはほとんど使われていません。

 


 

2. スイッチ(Switch)- 賢くデータを届ける名配達人

 

L2スイッチ
(L2)スイッチの通信イメージ

現代の主流はこちらのスイッチ(正確にはスイッチングハブ)です。スイッチは、データを受け取ると、そのデータが「誰宛」なのかをきちんと認識し、その宛先の機器にだけデータを届けます。

  • 役割
    • 受け取ったデータを宛先の機器にのみ送信
  • メリット
    • ネットワークの効率が良く、高速で安定した通信が可能
  • デメリット
    • ハブよりはやや高価

家電量販店などで「ハブ」として売られている製品のほとんどは、この「スイッチングハブ」の機能を持っています。昔ながらのハブとは別物と考えてください。

L2スイッチとL3スイッチの違い

スイッチには、データの配送方法を判断する基準によって「L2スイッチ」と「L3スイッチ」があります。

  • L2スイッチ
    • ネットワーク機器に固有の「住所」(MACアドレス)を見てデータを届けます。同じネットワーク内での効率的なデータ転送に優れています。一般家庭や小規模オフィスで使われるスイッチングハブは、ほとんどがこのL2スイッチです。
  • L3スイッチ
    • 「郵便番号」のような役割を持つ「IPアドレス」を見てデータを届けます。異なるネットワーク間(例えば、社内の異なる部署のネットワーク)でのデータ転送(ルーティング)が可能です。より大規模なネットワークで利用されます。
L3スイッチ
L3スイッチの通信イメージ

 


 

3. ルーター(Router)- 異なるネットワークを結ぶ門番

 

ルーター
ルーターの通信イメージ

ルーターは、あなたの家のネットワーク(LAN)とインターネットという外部のネットワーク(WAN)を結ぶ「門番」のような役割を果たします。データの「行き先」を見て、正しいネットワークにデータを送り届けます。

  • 役割
    • 異なるネットワーク間のデータ転送(ルーティング)、ネットワークの接続
  • メリット
    • 複数のデバイスでインターネットを共有できる、セキュリティ機能(ファイアウォールなど)を持つものもある
  • デメリット
    • スイッチよりも複雑な設定が必要な場合がある

家庭用Wi-Fiルーターには、ルーター機能に加えて、無線LANの機能や、複数のLANポートを持つスイッチの機能が一体になっているものが一般的です。

 

ルーターとL3スイッチの違い

どちらもIPアドレスに基づいてデータを転送する機能を持っていますが、主な役割が異なります。

  • ルーター
    • 主にLAN(社内ネットワークなど)とWAN(インターネットなど外部のネットワーク)の接続、複雑なルーティング、セキュリティ機能など、ネットワークの境界で活躍します。
  • L3スイッチ
    • 主にLAN内部での高速なネットワーク間ルーティングに特化しています。例えば、複数の部署や用途に分けて構築された仮想的なネットワーク(VLANと呼ばれる技術)同士の通信を効率的に行います。

 


 

まとめ

 

機器名主な役割通信方式使用される場所の例
(古い)ハブ受け取ったデータを全てに送信ブロードキャスト(過去の遺物)
スイッチ受け取ったデータを宛先にのみ送信ユニキャスト家庭、オフィス
  L2スイッチMACアドレスに基づいて同じネットワーク内で転送ユニキャスト家庭、小規模オフィス
  L3スイッチIPアドレスに基づいて異なるネットワーク間で転送ユニキャスト中~大規模オフィス、データセンター
ルーター異なるネットワーク間の接続とデータ転送(ルーティング)ユニキャスト家庭とインターネット、拠点間接続

 

これらの機器の役割を理解することで、ご自身のネットワーク環境をより良く理解し、トラブルシューティングにも役立てることができるでしょう。

ネットワークの世界は少し複雑に感じるかもしれませんが、一つ一つの役割を理解していけば、きっと面白くなってきますよ!

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、よいネットワークライフを!

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