みなさん、こんにちは。
「あれ?最近Kindle for PCで読んだはずのページが、スマホアプリで反映されない…」「せっかくハイライトしたのに、別のPCで見当たらない!」
もし、いつの間にかKindle for PCで書籍の同期ができなくなってしまったと感じているなら、その原因は意図せずKindleのコンテンツフォルダがOneDriveの同期フォルダに設定されてしまったことにあるかもしれません。
「そういえば、最近Windows Updateがあったような…」と感じている方もいるのではないでしょうか。
実は、Windowsのアップデートや初期設定の変更によって、気が付かないうちにOneDriveがドキュメントフォルダ全体をバックアップする設定になっている場合があるのです。そして、Kindle for PCの書籍コンテンツは、通常「ドキュメント」フォルダ内の「My Kindle Content」というフォルダに保存されます。
この記事では、なぜこのような状況が同期の問題を引き起こすのか、その原因から具体的な解決策、そして再発を防ぐためのヒントまでを解説します。ぜひ最後まで読んで、スムーズなKindleライフを取り戻しましょう。
ちなみに、Windows Update でOneDriveがドキュメントフォルダ全体をバックアップする設定を誘発する画面を非表示にする方法はこちらで解説しています。
なぜKindle for PCがOneDriveによって同期できなくなる問題が起こるのか?
Kindle for PCを利用する際、書籍のデータは通常、PC内の特定のフォルダに保存されます。初期設定では、多くの場合「ドキュメント」フォルダ内の「My Kindle Content」というフォルダが使用されます。
一方、Windows 10以降の環境では、セットアップ時やWindows Updateのタイミングで、OneDriveによるドキュメントフォルダのバックアップ設定が有効になることがあります。これを有効にすると、ユーザーが意識しないうちにドキュメントフォルダ全体がOneDriveの同期対象となるのです。
ここに、問題の根源があります。
Kindle for PCは、ダウンロードした書籍ファイルだけでなく、閲覧状況、ハイライト、メモ、最後に読んだページなどの情報も頻繁にこの「My Kindle Content」フォルダ内のファイルに書き込み、更新します。
OneDriveは、フォルダ内のファイルに変更が加えられると、ほぼリアルタイムでクラウドとの同期を試みます。
このKindle for PCによる頻繁なファイルアクセスと、OneDriveによる自動同期が同時に発生することで、以下のような同期競合が引き起こされるのです。
- ファイルのロック
Kindle for PCが書籍ファイルや関連ファイルを読み書きしている最中に、OneDriveが同じファイルを同期しようとすると、ファイルがロックされ、OneDriveの同期が中断されたり、Kindle側の処理が正常に完了しなかったりする可能性があります。
- データの不整合
同期のタイミングによっては、Kindleが書き込んだ最新の情報がOneDriveに反映されなかったり、逆に古い情報で上書きされてしまったりする可能性があります。これにより、異なるデバイス間で閲覧状況やメモなどが同期されないといった問題が発生します。
- 同期の遅延や失敗
頻繁な競合によってOneDriveの同期処理が追い付かなくなり、結果として書籍のダウンロードや同期がいつまで経っても完了しない、またはエラーが発生して失敗するといった状況に陥ることがあります。
実際に、オンラインのフォーラムやコミュニティでは、同様の症状に悩むユーザーの声が多数報告されています。これは決して稀なケースではなく、Windows Updateなどをきっかけに、意図せず同期競合が発生しやすい状況に陥ってしまうことがあるのです。
同期競合が引き起こす具体的な問題点
同期競合が発生すると、具体的に以下のような問題が生じ、快適なKindleライフを大きく損なう可能性があります。
- 書籍のダウンロードが完了しない
新しく購入した書籍がいつまで経ってもダウンロードされず、オフラインで読むことができません。
- 異なるデバイス間での同期の遅延や失敗
PCで読み進めたページがKindle端末やスマートフォンアプリに反映されなかったり、ハイライトやメモが共有されなかったりします。
- Kindle for PCの動作が不安定になる
同期処理が原因でKindle for PCの動作が重くなったり、予期せぬエラーが発生して強制終了したりすることがあります。
- OneDriveの同期エラー
競合が頻繁に発生すると、OneDrive自体の同期処理に悪影響を及ぼし、他のファイルの同期にも問題が生じる可能性があります。
- 最悪の場合、データの破損
極めて稀なケースではありますが、同期の競合が繰り返されることで、Kindleの書籍データや関連ファイルが破損してしまう可能性も否定できません。
同期競合を解決するための具体的な対策
この厄介な同期競合から解放され、快適なKindleライフを取り戻すためには、以下のいずれかの対策を講じることが有効です。
1. Kindle for PCのコンテンツ保存先をOneDriveの同期対象外に変更する(推奨)
最も推奨される解決策は、Kindle for PCの書籍コンテンツの保存場所を、OneDriveの同期対象ではないローカルフォルダに変更することです。
以下の手順で保存先を変更できます。
- Kindle for PCを起動します。
- 画面上部のメニューバーから「ツール」を選択し、「オプション」をクリックします。
- オプション画面の「コンテンツ」の項目を確認します。 ここに現在の保存場所が表示されています。
- 「フォルダを変更」ボタンをクリックします。
- OneDriveの同期対象外のローカルフォルダ(例: C:\Users\<あなたのユーザー名>\Documents\Kindle Books など、OneDriveと同期していない新しいフォルダを作成することを推奨します)を選択し、「OK」をクリックします。
- Kindle for PCを再起動します。
保存場所を変更した後、既にダウンロード済みの書籍は新しいフォルダに移動する必要があります。通常、Kindle for PCが自動的に移動を促すメッセージを表示しますが、もし表示されない場合は、手動で元の「My Kindle Content」フォルダから新しいフォルダへファイルを移動してください。
この対策を行うことで、Kindle for PCが頻繁にアクセスするファイルがOneDriveの監視下から外れ、同期競合のリスクを根本的に解消できます。
2. OneDriveの設定でKindleのコンテンツフォルダを同期対象から除外する
Kindle for PCのコンテンツフォルダをOneDriveの同期対象から明示的に除外するという方法もあります。
以下の手順で設定できます。
- OneDriveのアイコンを右クリックし、「設定」を選択します。
- 「アカウント」タブを開き、「フォルダーの選択」をクリックします。
- 同期するフォルダーの一覧が表示されるので、My Kindle Content が保存されている「ドキュメント」のチェックを外します。
- 「OK」をクリックします。
ただし、この方法ではドキュメントフォルダ全体の同期が解除されるため、他のドキュメントファイルもOneDriveで管理したい場合は不便が生じる可能性があります。また、Kindle for PCが「My Kindle Content」以外の場所に一時ファイルなどを保存する場合、それらが予期せず同期されてしまう可能性も考慮する必要があります。
3. Kindle for PCとOneDriveの利用頻度を調整する(一時的な回避策)
根本的な解決にはなりませんが、Kindleで書籍をダウンロードしたり、読書中にハイライトやメモを追加したりする作業と、OneDriveによる同期処理のタイミングをずらすことで、一時的に競合を避けることができるかもしれません。
例えば、Kindleで作業を行う際はOneDriveを一時停止したり、Kindleを終了してからOneDriveの同期を手動で開始したりするなどの工夫が考えられます。しかし、これは手間がかかり、確実な解決策とは言えません。
再発を防ぐためのヒント
一度同期問題を解決したら、二度と繰り返さないように以下の点に注意しましょう。
- Kindle for PCのインストール時に、OneDriveの同期対象外のフォルダを保存先として指定する
可能であれば、インストール時にカスタムインストールを選択し、保存先をOneDrive以外の場所に設定することをおすすめします。
- Windowsのウェルカムエクスペリエンスやアップデート後の設定変更に注意する
ドキュメントフォルダをOneDriveで管理したい場合は、必要なフォルダのみを選択的に同期するように設定しましょう。もし自分以外の人がPCを使う可能性があるなら、ウェルカムエクスペリエンスを非表示にすることも検討してください。
- 定期的にKindle for PCとOneDriveの設定を見直す
ソフトウェアのアップデートなどにより、意図しない設定変更が行われる可能性もあります。定期的に設定を確認し、問題がないか確認しましょう。
まとめ
いつの間にかKindle for PCで同期ができなくなってしまった場合、その原因はWindows UpdateなどをきっかけとしたOneDriveとの意図しない連携にあるかもしれません。
最も効果的な解決策は、Kindle for PCのコンテンツ保存先をOneDriveの同期対象外のローカルフォルダに変更することです。
この記事で解説した原因と対策を参考に、ぜひKindle for PCの環境を見直してみてください。
もし、上記の方法を試しても問題が解決しない場合は、AmazonのカスタマーサポートやMicrosoftのサポートに問い合わせることも検討してみてください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいKindleライフを!
Linux環境でのKindleについては以下記事も参考にしてください。