【重要】OneDriveライセンスのないアカウント対策はお済みですか?猶予期間終了迫る!

みなさん、こんにちは。

2025年5月8日、米マイクロソフトはクラウドストレージサービス「OneDrive」の大規模アップデートを発表しました。AIアシスタント「Copilot」の機能強化や新しい共有リンク「ヒーローリンク」の導入など、注目の機能が盛りだくさんである一方、同時に、IT管理者にとって非常に重要な変更点として、2025年9月26日以降、OneDriveのライセンスを保有していないアカウントは読み取り専用に制限され、10月29日にはアーカイブ対象となることが公表されました。

今回は、組織内のOneDrive環境において、見過ごすことのできない重要な変更と、その対策について解説します。

 


 

OneDriveのライセンスのないアカウントとは

 

2025年1月27日、マイクロソフトはOneDriveのライセンスのないアカウントに関するポリシーを変更しました。それは、「OneDriveのライセンスのないアカウント」に対する新しいポリシーの適用でした。

「OneDriveのライセンスのないアカウント」とは、その名の通り、有効なライセンスが割り当てられていないOneDriveアカウントを指します。これは、従業員の異動や退職に伴うライセンス解除、あるいはライセンス管理の不徹底など、様々な理由で発生し得ます。

実はこれまで、ライセンスのない状態が続いても、OneDriveの利用が可能だったのです。
企業によってはそのような状態になっているアカウントを意図せず利用し続けていたことがあったかもしれません。

しかし、この新しいポリシーの適用により、今後はライセンスのないアカウントに対する制限が明確化されます。

 


 

知っておくべきOneDriveのライセンスなしアカウントのタイムライン

 

新しいポリシーでは、ライセンスのないOneDriveアカウントは、以下のタイムラインで段階的に機能が制限され、最終的にはアクセス不能となります。

  • 読み取り専用モード(ライセンスなし状態から60日後)
    • ファイルの表示、ダウンロードは可能ですが、新規ファイルのアップロードや既存ファイルの編集は一切できなくなります。
  • アーカイブモード(ライセンスなし状態から93日後)
    • ファイルの表示、ダウンロード、編集を含む全ての操作ができなくなります。
    • OneDriveにアクセスしようとするとエラーメッセージが表示され、事実上、データへのアクセスは不可能になります。

特に重要な点として、この新しいタイムラインは、2025年7月28日以降にライセンスが付与されなくなったアカウントに適用されるということです。

そして、2025年7月28日より前にライセンスが付与されていなかったアカウントについては、2025年9月26日までに読み取り専用モードへ、2025年10月29日までにアーカイブされる予定です。

新しいポリシーの適用自体は2025年1月27日に開始されましたが、現在、段階的なロールアウトが進められているため、一時的に93日を経過してもOneDriveが利用可能なアカウントも存在していました。

しかし、これは猶予期間としての対応であり、2025年7月28日以降は、60日を経過すれば読取専用となり、93日を経過すればアーカイブされてしまうのです。

 


 

IT管理者が今すぐ取り組むべきこと

 

このポリシー変更は、組織のデータ管理に大きな影響を与える可能性があります。アクセスできなくなる前に、以下の対策を講じることをおすすめします。

  • ライセンスのないアカウントの特定と棚卸し
    • SharePoint管理センターのレポート機能などを活用し、組織内に存在するライセンスのないOneDriveアカウントを洗い出してください。
  • 必要なアカウントへのライセンス再割り当て
    • 現在も業務に必要なアカウントについては、速やかに適切なライセンスを再割り当ててください。
  • 不要なアカウントの適切な処理
    • 退職者や異動者のアカウントで、今後利用の見込みがないものについては、データのバックアップや移行を行った上で、アカウントの削除またはアーカイブ保持の検討を行ってください。後回しにしてしまうと、猶予期間が過ぎ、予期せぬ事態を招く可能性もありますので、早めに対応することをおすすめします。
  • アーカイブされたアカウントの復旧手順の確認
    • 誤ってアーカイブされてしまったアカウントや、後からアクセスが必要になったアカウントのために、IT管理者がライセンスを再割り当てすることで、24時間から48時間以内に自動的に再アクティブ化される手順を確認しておいてください。
  • 保持ポリシーと訴訟ホールドの確認
    • 保持ポリシーや訴訟ホールドの対象となっているアカウントは、アーカイブ後もポリシーが維持されます。eDiscoveryやコンテンツ検索の対象となることも念頭に置いて管理する必要があります。

 

教育機関のみなさんへの注意事項

実は教育テナント(50%を超える教育ライセンスを持つテナント)においては、ライセンスのないアカウントに対する一部の変更(アーカイブやごみ箱への移動など)は適用されません。

しかし、ライセンスのないアカウントがプールされたストレージを使用し、セキュリティやコンプライアンスのリスクをもたらす可能性がある点には注意が必要ですので、この機会に対策を検討することをおすすめします。

 


 

まとめ

 

OneDriveのライセンスのないアカウントに関するポリシー変更は、待ったなしで進行しています。2025年10月29日の最初の適用ロールアウト完了に向けて、今一度、組織内のOneDriveアカウントの状況を確認し、適切な対策を講じることをおすすめします。

この変更を機に、組織全体のライセンス管理体制を見直し、より効率的で安全なクラウド環境を構築していきましょう。

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、よいシステム管理ライフを!

参考リンク:

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール