みなさん、こんにちは。
突然ですが、動画ファイル、たくさんお持ちですか?
最近はスマートフォンでも手軽に高画質な動画が撮れるようになり、気づけば大量の動画ファイルに埋もれている、なんて方も多いのではないでしょうか?そんな時、動画の内容を把握して管理するのに役立つのがサムネイルですよね。
しかし、一般的なファイルマネージャーの機能だと、サムネイルは1枚だけということがほとんど。これでは「この動画、何だったっけ?」と首をかしげることもしばしば。せめて3枚以上のサムネイルがあれば、動画の内容が一目瞭然なのに!
そんな悩みを解決してくれるのが、今回ご紹介するSceneExplorerです。
SceneExplorerとは?
SceneExplorerは、複数のサムネイルを使って動画を管理できる便利なツールです。VectorではWindows版が配布されていますが、実はGitHubのREADMEによるとクロスプラットフォーム対応で、Linuxでも動作させることができます。
今回は、私が普段利用しているBodhi Linux 7.0.0と、そのベースとなっているUbuntu 22.04でのビルド方法をご紹介します。必要なものはffmpegとQt5のビルド環境だけなので、ぜひ最後までお付き合いください。
Bodhi Linux 7.0.0 (Ubuntu 22.04) でのSceneExplorerビルド手順
まずは、必要な環境を整えましょう。
1. 必要なツールのインストール
ターミナルを開いて、以下のコマンドを実行します。
# 動画操作用
sudo apt install ffmpeg
# 基本的なビルドツール
sudo apt-get install build-essential
# 基本的なQt5開発環境
sudo apt-get install qtbase5-dev qtchooser qt5-qmake qtbase5-dev-tools qttools5-dev-tools
# SQLite用
sudo apt-get install libqt5sql5-sqlite
2. SceneExplorerのソースコードをクローン
次に、SceneExplorerと関連するリポジトリをクローンします。専用のフォルダを作成して作業するのがおすすめです。
git clone https://github.com/ambiesoft/profile.git
git clone https://github.com/ambiesoft/lsMisc.git
git clone https://github.com/ambiesoft/SceneExplorer.git
3. ビルドとエラーの解決
クローンが完了したら、SceneExplorerのディレクトリに移動してビルドを開始します。
cd SceneExplorer
mkdir build
cd build
qmake ../src/SceneExplorer.pro
ここで「WARNING: Failure to find: gitrev.h」という警告が表示されるはずです。READMEにはLinuxではgitrev.h
の作成スクリプトがあるdistSolution
リポジトリのクローンは不要とありますので、このまま進めることにします。
しかし、SceneExplorer
のソースにはgitrev.h
のインクルードが含まれているため、ビルドエラーになってしまいました。
実際、make
を実行すると以下のようなエラーで止まってしまいます。
../src/aboutdialog.cpp:27:10: fatal error: gitrev.h: そのようなファイルやディレクトリはありません
#include "gitrev.h"
^~~~~~~~~~
compilation terminated.
make: *** [Makefile:1358: aboutdialog.o] エラー 1
このgitrev.h
は、ビルド時のソースバージョンをSceneExplorerの「ヘルプ > バージョン情報」のGitrevタブに表示するための機能です。動画管理機能には影響がないので、今回はこの部分を修正してビルドすることにしました。
以下の2箇所をコメントアウト、もしくは削除します。
aboutdialog.cpp
- 26行目、27行目付近をコメントアウトまたは削除
// run 'prepareGitrev.bat'
// #include "gitrev.h" // この行をコメントアウトまたは削除
- 168行目から171行目付近をコメントアウトまたは削除
QString txtGitrev;
// txtGitrev += "Gitrev:\n"; // この行をコメントアウトまたは削除
// txtGitrev += GITREV::GetHashMessage().c_str(); // この行をコメントアウトまたは削除
// ui->tbGitrev->setText(txtGitrev); // この行をコメントアウトまたは削除
- 26行目、27行目付近をコメントアウトまたは削除
修正が完了したら、再度ビルドを行います。
qmake ../src/SceneExplorer.pro
# ここでWARNINGが出ますが、今回は無視します
make
今度は無事にビルドが成功するはずです!
4. SceneExplorerの実行
ビルドが完了したら、早速実行してみましょう。
./SceneExplorer
無事にSceneExplorerが起動しました!

まとめ
これで、SceneExplorerを使って複数のサムネイルで動画を管理できるようになりました。これまで1枚だけのサムネイルでは分かりにくかった動画の内容も、複数のサムネイルが表示されることで一目で把握できるようになるはずです。
特に、スマートフォンで撮影した動画や、ダウンロードした動画など、大量の動画ファイルがPCに溜まってしまっている方は、SceneExplorerを使えば、まるでパラパラ漫画のように動画の中身をざっと確認でき、圧倒的に効率よく動画ファイルを整理・管理できるようになります。
もし、動画の整理にうんざりしているなら、今回ご紹介した手順でぜひSceneExplorerを試してみてください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よい動画管理ライフを!