みなさん、こんにちは。
今回は、2025年6月1日に開催されたMSX DEVCON11で予告されていた、MSX0用のリモートコントロールパネルの最新版についてです。
7月1日についにアップデートが公開されました。MSX0ユーザーの方々にとっては待ちに待ったアップデートではないでしょうか?
私は少し気づくのが遅れてしまいましたが、先日、早速ダウンロードして試してみました。今回はアップデートの内容と使用感についてお伝えします。
会員限定の「msx-hub」で公開
リモートコントロールパネルのアップデートファイルは、「msx-hub」という会員専用サイトで公開されています。実はここが最初のハードルかもしれません。MSX0をお持ちの方でも、この「msx-hub」の会員になるにはどうしたらよいのかを詳しく知っている方は多くないのではないでしょうか。
会員には大きく分けて2種類あるようです。
- MSX INFORUM会員(専用サイト:fc.msx-hub)
- MSX開発者コミュニティ会員です。DEVCONというイベントに参加したり、MSX関連の開発を行っている方が対象です。MSX0の開発者や、MSX0を使ったIoTプロジェクトに関わる方々が多く参加しています。
- 私は以前、MSX DEVCON3に参加した際にMSX INFORUMに入会し、専用IDを入手できたのですが、これから新規で入会したい方がどうすればよいのか、現状では案内が見つからないのが気になります。
- MSX0クラウドファンディング支援会員(専用サイト:dl.msx-hub)
- こちらはクラウドファンディング支援者が会員となり、専用IDが発行されているようです。クラウドファンディング終了後に正規購入された方も、IoT Media Laboratoryへ直接問い合わせることでIDが発行されるとのことです。
- 現在IoT Media LaboratoryのWEBサイトでは問い合わせ先のメールアドレスは公開されていないようなので、公式Xアカウント@MSX_BUSINESSにDMを送るしかないかもしれません。
ちなみに、これら二つのサイトは別体系のようで、IDの使い回しはできないのでご注意ください。
アップデートの告知、もう少し何とか…
MSX0本体のファームウェアやリモートコントロールパネルのアップデートは、基本的にこの「msx-hub」で公開されます。しかし、私が会員になっているMSX INFORUMでは、単に共有フォルダにファイルが置かれるだけで、更新通知のようなものがありません。そのため、今回の私のように公開されたことにしばらく気づかない、なんてことも結構あります。
せめて、Discordサーバーなどを用意して、リリース情報がリアルタイムで告知されるような仕組みがあれば、もっと多くの開発者がスムーズにアップデートに気づけると思うのですが、チャンネル開設の予定はないのでしょうかね?
現状では、公式Xアカウント(@MSX_BUSINESS や @msx_r_and_d)をフォローするのが最新情報を入手する一番よい方法かもしれません。しかし、Xの場合、情報が流れてしまって見逃しがちですよね。クラウドファンディング支援者の方々にはメール案内が届くようなので、INFORUM会員にも同様の通知があると嬉しいなと感じます。
待望のリモートコントロールパネルの進化を体験
さて、前置きが長くなりましたが、実際にリモートコントロールパネルをfc.msx-hubからダウンロードしてみました。
アップデートファイル一式は、今回は「release_RemoteControlPanel_R00.19.06.zip」というファイル名で提供されていました。中にはWindows用とAndroid用のインストーラーが含まれています。
Android用アプリは設定 > アプリ > 特別なアプリアクセス > 不明なアプリのインストールを許可してインストールする必要がありますので注意してください。
【重要な注意点!】
今回のリモートコントロールパネルを使うには、MSX0本体のファームウェアアップデートが必須です。これをしないと、せっかくの新機能が制限されてしまうので、忘れずに実施してください。なお、最新のファームウェアデータもダウンロードしたフォルダに含まれています。
ここが進化した!嬉しい新機能
実際に使ってみて、特に便利だと感じたのは以下の点です。
- スキンの選択が可能に!
- MSX PLAYerとスキンデータを共有できるようになりました。Android版ではバーチャルキーボード付きスキンも選べるので、操作性が向上しそうです。
- MSX PLAYerとスキンデータを共有できるようになりました。Android版ではバーチャルキーボード付きスキンも選べるので、操作性が向上しそうです。
- DSKファイルの切り替え&ローカルからのアップロードに対応!
- これは本当に助かります!DSKファイルの切り替えはセットアップ画面に入って行う必要があったので地味に面倒だったのですが、リモートから可能になったことで負担が減りました。また、DSKファイルの転送だけなら、リモートコントロールパネルで完結できるようになり、msxtermのようなターミナルでの操作が不要になったのも大きいです。
- 操作も簡単で、リモートコントロールパネル上で右クリックして「Change DSK」からDSKファイルの切り替えとアップロードが行えます。ローカルPCの特定のフォルダにDSKファイルを置いておけば、そこから直接MSX0にアップロードできるのは画期的です。
- ただし、MSX0画面のテキストコピー&ペーストや、BASファイルの直接転送など、ターミナルが必要な場面もまだまだあります。
- 複数端末への同時接続とマルチディスプレイ操作!
- これはIoT用途でMSX0を活用されている方には朗報ではないでしょうか。複数のMSX0を同時に監視・操作できるのは、管理作業の生産性向上に大きく貢献すると感じました。出先でAndroidスマホから手軽に管理できるのも便利です。
所感と今後の期待
今回のリモートコントロールパネルのアップデートは、特に複数のMSX0を運用する際の管理作業の効率化という点では、非常に大きな進歩だと感じました。マルチディスプレイでの同時監視や、スマホからの管理は、まさにIoTデバイスとしてのMSX0の可能性を広げるものです。
しかし、MSX0単体として見た場合、今回のアップデートで機能が大幅に増えたり、Basicから直接使えるセンサーが増えたわけではありません。現状のMSX0でIoTの特性を活かした「キラーアプリ」を開発するには、まだ物足りなさも感じます。
個人的には、もっと手軽に、何も考えずにBasicから使えるセンサーの種類が増えてくれると、MSX0の可能性がさらに広がるのではないかと期待しています。
今回のリモートコントロールパネルのアップデートは素晴らしい一歩ですが、今後も継続的な進化を遂げていってくれることを切に願っています。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、よいMSXライフを!