みなさん、こんにちは。
気がつけば Xubuntu 22.04 を使い始めて3年以上が経ちました。世間では既に24.04が主流で、2026年4月には次期LTSの26.04がリリースされます。私もせめて24.04への移行は考えなければならないと思っていますが、Bodhi Linux が22.04ベースのまま足踏み状態なんですよね。こちらが24.04ベースになったら本格移行の時かと思っています。それにしても、時の流れは本当に早いものです。
さて、私のPC環境は少し独特で、自宅のメインデスクトップにはWindowsを入れていますが、持ち運び用のモバイルノートPC2台には Xubuntu、Bodhi Linuxをそれぞれ入れており、Windowsはインストールしていません。
「LinuxのノートPCで、出先の仕事は回るの?」
そう聞かれることも多いですが、結論から言えば工夫次第でなんとかなります。今回は、私が外出先でオフィススイート(文書・表計算・スライド)をどう運用しているか、2025年現在の最新構成をまとめてみたいと思います。
1. 文書作成(ドキュメント)
まずは基本の文書作成から。いくつかのツールを状況に応じて使い分けています。
- メイン:Googleドキュメント
- 用途: ゼロから自分で文書を作る時
- 理由: オンラインで同期され、どの端末からでも作業できる利便性は最強です。機能的にも不足はありません。基本はこれで決まりです。
- 課題: MS Wordとの互換性ですね。特に図形や画像を使ったレイアウトは崩れがちです。
- サブ:LibreOffice Writer
- 用途: オフライン環境での作業
- 理由: ネットがない場所ではこちら。MS Wordとほぼ同じことができる頼れる存在です。
- 課題: Google同様、複雑なレイアウトの再現性は完璧ではありません。
- 臨時:Microsoft 365 オンライン(Word)
- 用途: どうしてもMS Wordと同じレイアウト再現が必要な時
- 理由: 純正だけあってレイアウト崩れは防げます。
- 課題: Googleドキュメントに比べると動作が重く、軽快さに欠けるためメインにはなり得ません。OneDriveに縛られるのも個人的にはマイナスポイント。
- 【番外】WPS Writer
- かつては「LinuxでMS Wordのレイアウトを再現するならこれ」という鉄板でしたが、現在は使っていません。
- 2022年当時、メニューの日本語化が不完全だったり、日本語のインライン入力ができなかったりという問題があり、半年ほどで離脱しました。「レイアウト確認だけならOfficeオンラインでいいや」という結論に至っています。
2. 表計算(スプレッドシート)
表計算に関しては、この2つがあれば困ることはほぼなくなりました。
- メイン:Googleスプレッドシート
- 用途: 新規作成のメイン
- 備考: MS ExcelのマクロやVBAとの互換性が心配でしたが、最近はマクロ・スクリプトをガチガチに組んだExcelファイルを扱う機会自体が激減したため、全く問題なくなりました。また、以前は、EXCELファイルで進捗管理など何かとEXCELで表を作ってファイルサーバー、もしくはメーリングリストで共有するという運用がはびこっていましたが、令和の現在、周囲ではほぼ絶滅しました。ファイルサーバーで進捗表を共有するなんてよく運用が回っていたものだと本当に思います。
- サブ:LibreOffice Calc
- 用途: オフライン用
- 困った時のLibreOffice。これがあれば安心です。
3. スライド作成(プレゼンテーション)
ここが一番変化が激しく、工夫している部分です。以前はGoogleスライド一択でしたが、最近はAIツールやデザインツールの進化で使い分けが進んでいます。
- 今のところメイン:Googleスライド
- ゼロから作るならまだこれですが、使用頻度は徐々に下がってきています。
- メイン候補:Canva
- 理由: デザインテンプレートが圧倒的に豊富。見栄え重視ならGoogleスライドより断然上です。AI支援機能も優秀。
- 注意点: 凝ったことをしようとすると有料プランが必要になるため、現在は無料の範囲で活用中。
- サブ(作成用):Gamma
- 用途: 「一から作るのが面倒!AIにたたき台を作ってほしい!」という時
- 使用感: いわゆる「キレイ目」なスライドがあっという間に生成されます。ただし、構成(プロット)をきちんと人間が考えてAIに渡さないと中身のないスライドになるため、「考えながら作る」用途には不向き。無料枠の範囲で助けてもらっています。
- サブ(スライドショー用):LibreOffice Impress
- 用途: オフラインでプレゼンをする時
- 理由: 本来はPDF化して表示すればいいのですが、アニメーション効果を使いたい場合はImpress用に変換して使っています。
- 【番外】Microsoft 365 オンライン(PowerPoint)
- 「PowerPoint形式(.pptx)での納品」が必須の場合に、変換・確認用として使います。作成用としては反応が鈍いので使いません。
まとめ – Linuxで仕事はできる?
結論として、「Linuxでのオフィススイート運用で困る場面はかなり減った」 と感じています。
外出先でネットに繋がり、クラウドサービスが使えるなら困ることはほぼありません。唯一困るのは、「オフライン環境」かつ「MS Office形式縛り」 がある場合。具体的には、イベント登壇や学会発表の時などです。
ただ、これも多くの場合は事前にPPTファイルを入稿して会場のWindows PCで発表するため、手元のPCがLinuxでも問題にはなりません。もし自分のPCを繋ぐ必要がある場合は、LibreOffice Impressでレイアウトを整えた専用ファイルを用意して乗り切っています。
「外部での発表機会がないなら、もうモバイルノートにMS Officeはいらない」
これが今の私の実感です。
とはいえ、自宅のデスクトップからWindowsを完全に排除できないのも事実です。
- Windows専用のネットバンキングやe-Tax
- 官公庁配布の申請用MSオフィスファイル
- 大手取引先指定のMSフォーマット帳票
これらが存在する限り、Windows環境とMS Office環境を維持する必要はありそうです。すべてがLinux(というかブラウザ)だけで完結する未来は、もう少し先になりそうですね。
よかったらみなさんのLinuxオフィス事情をコメントで教えていただけると嬉しいです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいLinuxライフを!



