Ubuntuの更新が遅くなった?富山大学ミラー廃止の影響と「今」取るべき対策

みなさん、こんにちは。

普段 Ubuntu をゴリゴリ使っている方以外には、あまりピンとこない話かもしれませんが、日本の Ubuntu ユーザーにとってちょっとした「事件」が2026年1月に起こりました。

実は、長らく Ubuntu のパッケージ配布を支えてくれていた富山大学のミラーサーバーが、1月末にシャットダウンされたのです。

参考:Ubuntuにおけるミラーサーバーとその付き合い方(技術評論社)

私自身、この記事を読むまで知らなかったのですが、最近「なんだか Ubuntu のパッケージ更新が妙に遅いな……」と感じていた原因がようやく分かりました。

 


 

ネットの混雑じゃなかった!遅さの真犯人

 

私は XubuntuBodhi Linux 、そしてWSL2 (Windows Subsystem for Linux 2) 上の Ubuntu 22.04 を併用しているのですが、2月に入ってから apt update などがとにかく重い。

「マンションの光回線が混んでいるのかな?」と思い、近くの高速なミラーサイトを検索してくれる mirrorselect(Snapでインストールできる便利なツールです。インストール方法は前述の参考記事を参照してください。)を実行してみても、0 b/s やタイムアウトが連発。

実を言うと、私の環境では回線自体に別の根本的な問題(PPPoEの限界など)があったのですが、それを差し引いても Ubuntu のリポジトリへのアクセスが不安定だったんです。

調べていくうちに、富山大学ミラーの廃止が日本の Ubuntu エコシステムに想像以上のインパクトを与えていることが見えてきました。

 


 

富山大学ミラー廃止で何が起きたのか?

 

富山大学は、単なる「一つの大学のサーバー」ではなく、日本最大級のミラーとして jp.archive.ubuntu.com のバックエンドも担っていました。

そこが停止したことで、以下のような連鎖反応が起きています。

  • jp.archive.ubuntu.com が海外(本家)を向くようになった
  • 国内の他のミラーサーバーに負荷が集中した
  • mirrorselect が、x86_64(普通のPC)用ではない portsミラー(arm64など)を「速い」と勘違いしてリストアップしてしまう

特に厄介なのが最後の点です。mirrorselect は仕様上、帯域の細い ports ミラーを混ぜてしまうことがあり、それを信じて設定すると、結果的にアップデートが激遅になるという罠が潜んでいます。

 


 

手動で「信頼できるミラー」を指定するのが今はベスト!

 

検証した結果、今の日本では「ツールに任せる」よりも、「安定している国内ミラーを手動で指定する」のが一番確実という結論に至りました。

今回、私がおすすめするのは UDX(東京) のミラーです。

  • URL
    http://ftp.udx.icscoe.jp/Linux/ubuntu/
  • 特徴
    帯域が太く、同期も速い。私の環境でも常にトップクラスの速度を叩き出しています。

具体的な設定方法を OS のバージョン別に解説します。

Ubuntu 22.04 (Jammy) の場合

/etc/apt/sources.list を直接編集します。 標準設定だと archive.ubuntu.com(海外)を向いていることが多いので、ここを UDX に書き換えます。

# /etc/apt/sources.list の中身を UDX に統一
deb http://ftp.udx.icscoe.jp/Linux/ubuntu/ jammy main restricted universe multiverse
deb http://ftp.udx.icscoe.jp/Linux/ubuntu/ jammy-updates main restricted universe multiverse
deb http://ftp.udx.icscoe.jp/Linux/ubuntu/ jammy-backports main restricted universe multiverse
deb http://ftp.udx.icscoe.jp/Linux/ubuntu/ jammy-security main restricted universe multiverse

Ubuntu 24.04 (Noble) の場合

24.04からは設定ファイルの形式が変わり、「DEB822形式」になりました。 編集すべきファイルは /etc/apt/sources.list.d/ubuntu.sources です。

# /etc/apt/sources.list.d/ubuntu.sources の例
Types: deb
URIs: http://ftp.udx.icscoe.jp/Linux/ubuntu/
Suites: noble noble-updates noble-security noble-backports
Components: main restricted universe multiverse
Signed-By: /usr/share/keyrings/ubuntu-archive-keyring.gpg

※ 22.04 のように sources.list をいじっても反映されないので注意してください。

 


 

ミラーサーバーは「善意」でできている

 

今回の富山大学ミラー廃止は、「日本の Ubuntu 環境の安定性は、誰かの善意によって支えられている」という事実を改めて思い出させてくれました。私たちが無料で、しかも爆速でアップデートをダウンロードできるのは、当たり前のことではないんですよね。

もし、企業などで大量の端末が同時にアクセスするような場合は、こうした善意にフリーライド(タダ乗り)しすぎないよう、自前でキャッシュサーバー(apt-cacher-ngなど)を立てるといった配慮も必要なのかもしれません。

もし「最近 Ubuntu が重いな?」と感じたら、ぜひミラー設定を見直してみてください。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、よい Ubuntu ライフを!

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