会議でブレインストーミングを上手に活用する方法

会議でブレインストーミングを上手に活用する方法

みなさん、こんちには。

先日、とあるイベントに参加し、ブレインストーミングによるアイデア出しを行う機会がありました。

ブレインストーミングとは、集団でアイデアを出し合う手法のひとつで、自由な発想を促すことで新しいアイデアを生み出すことができます。

参加者全員が自由に意見を出し合い、新たな発想や解決策が次々と生まれる様子に感動しました。しかし、発言の偏りや一部の人だけが主導してしまう状況に疑問も感じました。

そこで今回は、ブレインストーミングをより効果的に活用するためのポイント、全員に均等な発言機会を与えるための工夫、そしてアイデアが偏った場合に有効な「シックスハット法」を取り入れる方法についてご紹介します。

 


 

1. ブレインストーミング実施時の基本的な注意点

ブレインストーミングを成功させるためには、まず基本ルールや運営方法をしっかりと押さえることが大切です。以下のポイントを会議前に確認し、参加者全員と共有しておくと良いでしょう。

目的と課題の明確化

目的の設定
何のためにブレインストーミングを行うのか、具体的な目的や解決すべき課題を明確にすることで、参加者の意識を統一しやすくなります。会議の冒頭で「今回のテーマは〇〇であり、最終的に△△を達成することを目標とする」と説明し、議論の方向性を定めましょう。

否定禁止のルールの徹底

自由な発想の促進
初期段階ではどんな意見も否定せず、参加者が安心して発言できる環境を整えることが重要です。否定的なコメントや評価は控え、あくまで「アイデア出しの段階」であるという認識を全員で共有します。これにより、内気な人や独創的な意見を持つ人も遠慮なく自分の考えを述べやすくなります。

量を重視する

アイデアの数が質を生む
最初は質よりも量を追求し、さまざまな発想を網羅的に集めましょう。後でその中から有望なアイデアを絞り込むというプロセスを意識し、たくさんの意見を出すことを目標にします。

全員の参加を促す環境作り

発言の均等化
会議に参加する全員が意見を出せるよう、環境や進行方法に工夫を加えましょう。特定の人物だけが発言する状況を避け、全員が積極的に参加できる雰囲気作りが成功の鍵です。

ビジュアルツールの活用

視覚的な共有
ホワイトボードや付箋、デジタルツールを活用し、出されたアイデアを視覚的に整理することで全体像が把握しやすくなります。視覚情報の共有は、他の参加者に新たな視点を提供する効果もあります。

時間管理の重要性

効率的な議論の進行
時間を区切って議論を進めることで、集中力を維持しながら多くの意見を出すことが可能です。あらかじめ設定した時間内にできるだけ多くのアイデアを出す工夫が、会議の効率を高めます。

アイデア評価とフォローアップの計画

次のステップへのつなぎ方
出されたアイデアをどのように評価し、実際の企画やプロジェクトに落とし込むかという後続のプロセスも重要です。評価基準やフォローアップの方法をあらかじめ決めておくことで、議論が単なるアイデア出しに留まらず、実行可能な計画へとつながります。

 


 

2. ラウンドロビン方式で全員に発言機会を提供

ブレインストーミングでは全員の参加を促すことが求められますが、実際にはファシリテーターが全員に均等な発言機会を与えるのは容易ではありません。特定の参加者ばかりが意見を主導してしまう問題はよく起こります。

この問題に対して有効なのが「ラウンドロビン方式」です。

ラウンドロビン方式とは?

ラウンドロビン方式は、参加者全員に順番に発言する機会を与える方法です。

あらかじめ決められた順番に従い、一人ひとりが順番に意見を述べることで、自然と全員の参加が促されます。この方法を採用すれば、普段は発言しにくい内気なメンバーにも貴重な意見交換の場が提供され、積極的な参加を引き出すことができます。

ラウンドロビン方式のメリット

  • 均等な発言機会の確保
    誰もが平等に発言できるため、意見の偏りを防ぎ、様々な視点やアイデアを集めることができます。
  • 進行のスムーズさ
    発言順が決まっているため、混乱や同時発言による重複を避け、効率的に議論を進めることができます。
  • 参加意欲の向上
    順番を待つ間に他のメンバーの意見を聞くことで、新たな発想のヒントを得ることができます。会議の冒頭で発言順を決め、議論が一方通行にならないよう工夫することで、全員が参加しやすい環境が整います。

 


 

3. タイムキーパー制による発言時間の管理

ラウンドロビン方式は有効ですが、どうしても一部の参加者が発言時間を長く使ってしまうことがあります。

そこで、ラウンドロビン方式と併せて導入すると効果的なのが「タイムキーパー制」です。タイムキーパーは、各参加者の発言時間を管理し、意見の発表が長引きすぎたり、逆に短すぎたりしないよう調整します。

タイムキーパー制の導入方法

  • 発言時間の設定
    たとえば、1人あたり1~2分程度といった具体的な時間をあらかじめ決め、その時間内で意見を述べるルールを設定します。タイマーやストップウォッチを活用して客観的に時間管理を行いましょう。
  • 公平な運用
    ファシリテーターまたは指定されたタイムキーパーが、発言が長引いている場合には優しく促し、全員が均等な時間を確保できるよう配慮します。これにより、特定のメンバーだけが議論を支配することを防げます。

タイムキーパー制のメリット

  • 効率的な議論の進行
    徹底した時間管理により、会議全体の進行がスムーズになり、脱線を防ぐことができます。
  • 参加意欲の向上
    各参加者に均等な発言機会が与えられるため、誰もが自分の意見を述べやすい環境が整い、より多様なアイデアが生まれやすくなります。

 


 

4. アイデアが偏る場合の対策:シックスハット法の活用

ブレインストーミングは自由な発想を促す手法ですが、その反面、似たようなアイデアや一方向に偏った意見が集まりやすいという課題もあります。

そんな時におすすめなのが「シックスハット法」です。

シックスハット法とは?

シックスハット法は、エドワード・デ・ボノ氏が提唱した思考法で、6種類の「帽子」を用い、それぞれが異なる視点や感情、論理を象徴します。これにより、ひとつのテーマに対して多角的なアプローチが可能となり、議論のバランスを取ることができます。

各帽子の役割

  • 白い帽子(事実・情報)
    客観的なデータや事実に基づいた意見を述べ、数字や統計、過去の実績などを共有して議論の土台を固めます。
  • 赤い帽子(感情・直感)
    感情や直感に基づいた意見を述べ、個人の感覚やフィーリングを大切にします。数値では表現しにくい要素を補完します。
  • 黒い帽子(否定・リスク評価)
    否定的な視点からリスクや問題点を洗い出し、潜在的なデメリットやリスクを考慮することで計画の現実性を高めます。
  • 黄色い帽子(楽観・ポジティブ)
    楽観的な視点で、アイデアの強みやメリット、成功の可能性に焦点を当て、前向きな議論を促進します。
  • 緑の帽子(創造・新規発想)
    自由な発想で革新的なアイデアや代替案を検討し、固定観念にとらわれない柔軟な思考で新たな視点を生み出します。
  • 青い帽子(統括・プロセス管理)
    議論の進行全体や整理、議題の管理を担当し、会議全体を俯瞰して次のステップへの指針を示します。

シックスハット法の効果

  • 多角的な視点の導入
    各「帽子」の視点を順番に取り入れることで、従来の考えにとらわれず多面的な意見交換が可能となり、アイデアの偏りを防ぎながらより洗練された企画案を作り上げられます。
  • 議論の構造化
    各視点ごとに意見を整理することで、議論が無秩序になるのを防ぎ、全体のプロセスを明確にする効果が期待できます。特に複雑な問題に直面した際、各視点からの分析が後の意思決定に役立ちます。

シックスハット法の導入タイミング

ブレインストーミングの初期段階で全員の意見を自由に出した後、またはアイデアが一方向に偏っていると感じた段階でシックスハット法を取り入れると効果的です。

これにより、現状のアイデアの裏付けや課題点を整理し、新たな発想の糸口を見出すことができます。

 


 

5. まとめ

ブレインストーミングは、自由な発想を促し斬新なアイデアを生み出す強力なツールです。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、運営方法に工夫が必要です。

まず、会議前に目的やルール、評価プロセスを明確にし、全員が安心して意見を出せる環境を整えましょう。その上で、ラウンドロビン方式で順番に発言する機会を設け、タイムキーパー制を導入して各参加者の発言時間を管理することで、議論の偏りや特定の人に依存する状況を防ぐことができます。

そして、アイデアが偏りがちな場合は、シックスハット法を活用して多角的な視点から議論を進め、よりバランスのとれた企画案に仕上げましょう。

これらの工夫を取り入れることで、会議の生産性は飛躍的に向上し、組織全体の創造力や問題解決能力を高めることができるでしょう。

次回の企画会議では、ぜひ本記事でご紹介した手法を試してみてください。新たな視点や発想が、思いもよらない素晴らしい企画の源泉となるはずです。

皆さんの会議がより実り多いものとなるよう、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

今後とも、より良い会議文化の普及に向けて、一緒に取り組んでいきましょう。
ありがとうございました。

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