【Ubuntu vs Windows】Linux必須アプリとWindowsアプリを徹底比較

Linux必須アプリとWindowsアプリを徹底比較

みなさん、こんにちは。

パソコンでIoTシステムの開発を行う際、ほとんどの方はWindowsやMacの開発環境を選ぶのではないでしょうか。しかし、私はLinux環境(Ubuntuの公式フレーバーであるXubuntu)を選択しています。理由は、Raspberry Piとほぼ同じ環境で開発できる点に大きな魅力を感じるからです。

もちろん、仮想環境を使えば簡単にLinuxの環境を構築できますが、私はできるだけネイティブな環境にこだわりたいと考えています。

ネイティブ環境にLinuxをインストールする場合、「どのアプリを使えばいいのか?」と疑問に思われる方も多いと思います。

そこで今回は、私が常用しているXubuntu環境のアプリを、同じ用途でWindowsならどのようなアプリが該当するのか、比較しながらご紹介します。

対象はLinuxユーザーですが、ほとんどの読者がWindowsユーザーである点を踏まえ、Windowsで使える代表的なアプリについても解説していきます。

 


 

ブラウザ – Google Chrome

まずは誰もが日常的に使う、ブラウザです。

Xubuntuにインストールした理由:
Google Chromeは、高速で安定したウェブブラウジングを実現するブラウザです。拡張機能が豊富で、開発者向けツールも充実しています。現状ではFirefoxより圧倒的に利用者が多いので、ほぼ一択です。プライバシーが気になるなら、オープンソース版のChromiumブラウザを選ぶのもよいと思います。

ご存じの通りGoogle Chrome自体がWindows版として提供されており、同じユーザー体験が可能です。また、Windowsの標準ブラウザであるMicrosoft Edgeも人気の選択肢です。EdgeもChromeとほぼ同じ拡張機能が利用できます。

 


 

クリエイト

次は制作に使用するアプリです。

画像管理 – XnView MP

Xubuntuにインストールした理由:
XnView MPは、豊富な画像フォーマットに対応し、直感的な操作で画像の管理・閲覧ができるツールです。とりわけマクロを利用した一括変換に処理に強く、重宝しています。

Windowsなら、IrfanViewがよく利用されていますが、実はXnView MPはWindows版も提供されているため、同じアプリをWindows環境でも使えます。

画像編集 – GIMP

Xubuntuにインストールした理由:
GIMPは、オープンソースながら高度な編集機能を備えた画像編集ツールです。Photoshopに匹敵する機能を無料で利用できる点が魅力です。

Windowsなら、Adobe Photoshopが代表的な代替アプリですが、GIMPはWindows版も存在するため、どちらの環境でも同様に利用できます。

ベクターイメージ編集 – Inkscape

Xubuntuにインストールした理由:
Inkscapeは、SVG形式のベクターグラフィック編集に特化しており、Illustratorの代替として高く評価されています。拡大しても粗が目立たない線画を描きたい場合はGimpではなくInkscapeを選択しています。またPDFファイルを開くことができるので、PDFファイルのテキスト編集を行いたい場合も利用しています。

Windowsなら、Adobe Illustratorが代表的な代替アプリですが、InkscapeはWindows版も提供され、無料で高機能な編集環境を実現します。

動画編集 – Shotcut

Xubuntuにインストールした理由:
Shotcutは、シンプルな操作性と柔軟性を兼ね備えたオープンソースの動画編集ツールです。シンプルさがウリですので、凝ったフィルタやトランジションを使う用途には向いていません。やろうと思えばできますが、非常に手間がかかります。比較的手間がかからず凝ったことをやりたい場合は DaVinci Resolve を選択してください。ただし、プロ向けのため、操作に慣れが必要です。

Windowsなら、Adobe Premiere Proが代表的な代替アプリですが、ShotcutもWindows版が存在しており、軽量で使いやすい点が魅力です。DaVinci Resolve もWindows版が存在します。プロを目指すなら DaVinci Resolve を選択しておけば、Linux、WindowsそしてMacのいずれの環境で使えますので無難かもしれません。

音声編集 – Audacity

Xubuntuにインストールした理由:
Audacityは、録音から波形編集、エフェクト追加まで幅広く対応する定番の音声編集ツールです。少し凝った音声編集をしたい場合はAudacityが必須です。

Windowsなら、Adobe Auditionなどが代表的な代替アプリですが、AudacityはWindows版も提供され、初心者からプロまで使いやすい環境を提供します。

CAD – FreeCAD

Xubuntuにインストールした理由:
FreeCADは、3Dモデリングや設計が可能なオープンソースのCADソフトです。機能性と柔軟性から、趣味からプロフェッショナルまで幅広く活用されています。とりわけ寸法や制約を設定する機械設計に向いています。私は3Dプリンターで印刷するデータの作成に利用しています。

ポリゴンを利用した3Dモデリングを行いたいならBlenderの方が適しています。ただ、BlenderはCADと呼ぶには躊躇するほど操作方法が異なりますので、CADに慣れたい場合はFreeCADの方をおすすめします。

Windowsなら、AutoCADが代表的な代替アプリです。ただ、プロならSOLIDWORKSを使っていると思います。FreeCADはWindows版も利用可能で、無料で柔軟なモデリングができる点が魅力です。

 


 

事務処理

次はオフィスなど事務作業に使用するアプリです。

オフィススイート – LibreOffice

Xubuntuにインストールした理由:
LibreOfficeは、文書作成、表計算、プレゼンテーションなど、Microsoft Officeと高い互換性を持つオフィススイートです。Microsoft Officeとの互換性に多少の難はありますが、日常使いには困りません。Microsoft Officeとの互換性の高さをうたうWPSという選択肢もありますが、インライン入力ができないなど、不便な点がまだ残っています。

ただし、昨今はネイティブアプリケーションを利用せず、Google Document等のクラウドサービスを使う頻度があがっています。LibreOfficeも過去のオフィスファイルを開く場合に利用することがほとんどです。

Windowsなら、Microsoft Officeが絶対的な標準アプリと言ってもよいですが、LibreOfficeはWindows版も提供されており、オープンソースならではのカスタマイズ性とコストパフォーマンスが評価されています。

PDF加工 – PDFsam Basic

Xubuntuにインストールした理由:
PDFsam Basicは、PDFの分割、結合、回転などを手軽に行えるツールです。PDFファイルの一部を利用したい場合に重宝します。ただし、テキスト編集は行えないので注意してください。私の場合、テキスト編集を行いたい場合は、PDFsam Basicで編集を行いたいページを切出し、その後Inkscapeを使ってテキストの編集を行っています。

WindowsならAdobe AcrobatやPDF-XChange Editorが代表的な代替アプリですが、PDFsam BasicはWindows版も存在します。

 


 

開発

次は開発時に使用するアプリです。

ターミナル – byobu

Xubuntuにインストールした理由:
byobuは、tmuxベースのターミナルマネージャーとして、複数のセッションを効率的に管理するツールです。何らかの原因でウィンドウが閉じてしまった場合でも作業状態を保持できるので、SSHで他のコンピュータにログインして作業する際の事故防止に非常に役立ちます。

WindowsならWindows TerminalやTeraTermなどが代表的な代替アプリですが、セッション管理機能はありません。byobuは基本的にLinux専用です。ただし、Windows Subsystem for Linux (WSL) を利用すれば、Windows上でもbyobuを使うことが可能です。

テキストエディタ – VS Code

Xubuntuにインストールした理由:
VS Codeは、拡張性が高く、プログラミングやドキュメント編集に最適な軽量エディタです。このサイトをご覧になられるような方なら既に使っておられる方も多いと思います。

Windowsなら、メモ帳や秀丸エディタ、サクラエディタが代表的な代替アプリですが、VS CodeはWindows版も提供されており、クロスプラットフォームで一貫した開発環境を実現できます。

ファイル転送 – FileZilla

Xubuntuにインストールした理由:
FileZillaは、FTPやSFTPを利用してサーバーとのファイル転送をスムーズに行えるツールです。FTPの利用頻度は高くないかもしれませんが、必ず必要になる時がきます。

Windowsなら、WinSCPが代表的な代替アプリですが、FileZillaはWindows版も存在し、その安定性と使いやすさが評価されています。

VM – VirtualBox

Xubuntuにインストールした理由:
VirtualBoxは、複数のOSを仮想環境で実行できる強力なツールです。昨今はDocker等のコンテナ技術を使う場合も増えたのですが、いまだ仮想環境が必要になる場合が多いです。クロスプラットフォームでVMイメージを簡単に使いまわせるので私はVirtualBoxを利用しています。

Windowsなら、VMware WorkstationやHyper-Vが代表的な代替アプリですが、VirtualBoxはWindows版も提供され、無料で柔軟な仮想環境の構築が可能です。VirtualBoxどうしなら仮想マシンのエクスポート、インポートが簡単に行えます。

 


 

便利ツール

最後に便利ツールをまとめました。便利ツールの使い勝手が生産性に違いを生みます。やはりWindows向けが一枚も二枚も上手なのが現状ですが、Linuxも健闘していますよ。

メモ – Joplin

Xubuntuにインストールした理由:
Joplinは、Markdown対応のノートアプリで、データの同期機能も備えた使いやすいツールです。私はDropbox Paperから乗り換えました。メモアプリは保存性と検索性が命なのですが、クラウドサービスは突然のサービス停止や仕様変更が多くて高リスクと考えたからです。

Windowsなら、Microsoft OneNoteが代表的な代替アプリですが、JoplinはWindows版も利用でき、プライバシーを重視したオープンソースソリューションとして魅力的です。

スクリーンショット取得 – Shutter

Xubuntuにインストールした理由:
実はスクリーンショット取得はWindowsのSnipping Tookが最強と思っています。似たようなツールを探したところ、Shutterを見つけました。Shutterは、Snipping Toolの操作感に似たスクリーンショット取得が可能で、注釈や編集が可能なところが気に入っています。

Windowsなら、Snipping Toolを使っておけば間違いないです。Snipping Toolは本当に便利です。

検索 – Catfish

Xubuntuにインストールした理由:
実はXubuntuの泣き所が検索です。標準のファイルマネージャーに検索機能がないのです。検索のために専用のアプリが必要で、それがCatfishです。Catfishは、シンプルで高速なファイル検索を実現するツールです。

XubuntuではなくUbuntuなら標準のファイルマネージャーに検索機能が含まれますので、もし検索の操作性を重視したいならUbuntuをはじめから選択した方が無難です。

Windowsなら、エクスプローラーの検索機能やEverything Searchが代表的な代替アプリです。エクスプローラーの検索でも十分な機能を備えていると思います。

 


 

まとめ

今回ご紹介した各アプリは、Xubuntuの環境で快適な作業をサポートするためのものです。

正直に言ってWindowsなら、同様の用途でもっと使いやすいアプリが利用可能な場合も多く、その意味でXubuntuは圧倒的に不利です。そのかわり、ご紹介したアプリはすべて無料で、しかも、カスタマイズの自由を得ることができます。

Linuxならではの柔軟性とオープンソースの魅力を活かしながら、Windowsユーザーとしても同様の体験を得たい、そんなあなたのヒントになれば幸いです。

それでは、Happy Linuxライフ&快適なWindowsライフを!

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