ITプロジェクトの失敗から学ぶフリーランスエンジニアの教訓

みなさん、こんにちは。

ITプロジェクトの成功には、技術力だけでなく、適切なプロジェクト管理とコミュニケーションが不可欠です。

今回は、私が実際に経験したあるシステム導入プロジェクトでの出来事を振り返り、どのような教訓を得たのか、そして同じ立場になった方々へのアドバイスをまとめたいと思います。

 


 

私が体験した失敗事例:システム導入プロジェクトの混乱

状況

数年前、私はフリーランスのエンジニアとして、A社が進めるとあるシステム導入プロジェクトに参画していました。

このプロジェクトには、A社のプロジェクトマネージャー(PM)のP氏、営業担当のQ氏、そして私が関わっていました。

導入作業の2日前、突如としてQ氏から連絡が入りました。一方的な指示で、「明日、一人でクライアント先へ行き、サーバー設置と動作テストを行ってほしい。翌日にP氏が状況確認に行く」というものでした。

正直なところ、私は困惑しました。当初の合意では「A社が主導で、私はサポート役」というものだったからです。確かに前週にこの日程について「作業は可能」と伝えてはいましたが、単独作業を想定していたわけではありませんでした。

さらに、事前準備の状況、残作業の詳細、クライアントとの調整状況など、必要な情報共有が一切ないまま「サーバーを送ったから、あとはよろしく」という丸投げ状態だったのです。

このような状況、実はフリーランスエンジニアとして活動していると、あるあるな話で、早く忘れてしまいたいのですが、その後も同様の状況が繰り返し起こってしまったので、自省の意味を込め、振り返ってみたいと思います。

 


 

何が問題だったのか

後から振り返ると、このプロジェクトには以下のような問題がありました。

  1. スケジュール管理の後手対応
    P氏は導入直前までスケジュールの共有や調整を行わず、ぎりぎりになって関係者を動かそうとしていました。その上、関係者の都合を全く考慮していませんでした。
  2. コミュニケーション不足
    P氏は定期的な進捗共有や情報連携会議を開催せず、Q氏はそれを問題がないからと解釈し、私を含め関係者が全体像を把握できていませんでした。
  3. 役割分担の認識ズレ
    「A社主導、私はサポート」というQ氏と当初合意した内容と実際の依頼内容に大きな乖離がありました。
  4. リソース配分の問題
    P氏自身が当日参加できないにもかかわらず、Q氏が代替リソースの確保や適切な対応策を講じていませんでした。
  5. リスク管理の欠如
    P氏もQ氏もシステム導入という重要フェーズにおいて、トラブル発生時の対応策が考慮されていませんでした。

 


 

私自身の反省と改善策:同じ立場になったらどうすべきか

1. 早い段階での確認と介入

私の失敗
「作業は可能」と伝えただけで、詳細を確認しなかった。

今なら

  • 「作業は可能」と伝える時点で、「具体的にどのような作業内容を想定されていますか?」と確認する
  • プロジェクト期間中、定期的に進捗と今後の予定を確認する習慣をつける
  • 不明点があれば、遠慮せずに質問する姿勢を持つ

2. 契約段階での役割明確化

私の失敗
口頭での役割合意に頼り、文書化を求めなかった。

今なら

  • 契約時に作業範囲と役割分担を明文化してもらう
  • 「サポート役」の意味するところを具体的に定義しておく
  • 役割変更があれば、その都度書面で確認を取る

3. プロジェクト状況の可視化要求

私の失敗
プロジェクト全体の進捗状況や計画を把握していなかった。

今なら

  • プロジェクト参画時にガントチャートやタスク一覧の共有を依頼する
  • アクセス権があればプロジェクト管理ツールを定期的にチェックする
  • 全体ミーティングへの参加を積極的に求める

4. 最低限必要な情報のチェックリスト作成

私の失敗
作業前に必要な情報を明確に要求しなかった。

今なら

  • 作業前に必要な情報のチェックリストを自分で作成し、事前に共有する
  • 「事前セットアップの状況」「残作業内容」「クライアント側の準備状況」など具体的項目を列挙する
  • 情報が不足している場合は、作業に入らない勇気を持つ

5. 自己防衛のドキュメント化

私の失敗
重要な指示や合意事項を記録として残さなかった。

今なら

  • 重要な会話や指示はメールで確認し、記録として残す
  • 「〇〇という理解で作業を進めます」と事前に確認メールを送る
  • リスクがある場合は書面で指摘し、回避策の提案も行う

6. 一人作業の条件を明確にする

私の失敗
不安を感じながらも一人作業を受け入れてしまった。

今なら

  • 一人作業の場合は、事前にリモートサポート体制の確保を条件とする
  • トラブル発生時の対応フローと連絡先リストを事前に整備する
  • 作業範囲を明確にし、範囲外の作業が発生した場合の対応方針を決めておく

 


 

まとめ:フリーランスエンジニアとしての教訓

この経験から、私はフリーランスエンジニアとして大切な教訓を得ました。

それは「主体性を持ってプロジェクトに関わる」ということです。たとえサポート役であっても、ただ言われたことをやるだけでは、このような状況に陥りがちです。

プロジェクト管理がうまくいかない状況は、残念ながらIT業界ではよくあることです。だからこそ、私たちエンジニア側も受け身ではなく、必要な情報を積極的に取りに行き、リスクを先回りして対策を提案する姿勢が重要だと感じています。

もちろん、A社のプロジェクト管理にも改善点はたくさんありますが、フリーランスエンジニアとしては、依頼主のプロジェクト管理に介入し、影響力を行使することは現実的ではありませんので、この記事では私自身の視点からの改善策に焦点を当てました。

結局のところ、プロジェクトの成功は関わる全員の責任であり、各自が自分の立場でできることを最大限行うことが大切なのだと思います。

いかがでしたか?

同様の立場で悩まれているフリーランスエンジニアの方の参考になれば幸いです。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、よいプロジェクトライフを!

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール