みなさん、こんにちは。
Raspberry Pi で IoT システムを構築する際、Python は欠かせない言語です。
しかし、Raspberry Pi OS には Python 2 と Python 3 が同時にインストールされている場合があり、Python 3 でもバージョン間の互換性に悩むことがあります。
そこで、今回は pyenv を使って Raspberry Pi OS 上で Python のバージョンを統一的に管理する方法をご紹介します。
pyenvでPythonバージョン管理を行うメリット
- 複数バージョンの同時管理:
プロジェクトごとに異なる Python バージョンが必要な場合でも、pyenv を使えば簡単に切り替えが可能です。
- OS依存の問題回避:
OSに依存せず、必要なバージョンを個別にインストールできるため、開発環境がより柔軟になります。
- 仮想環境との連携:
pyenv と仮想環境ツールを組み合わせることで、プロジェクトごとに完全に独立した環境を作成できます。
pyenvのインストール手順
1. 必要なパッケージのインストール
まずはシステムを最新の状態に更新し、pyenv の依存パッケージをインストールします。ターミナルで以下のコマンドを実行してください。
sudo apt update && sudo apt upgrade
sudo apt install -y git openssl libssl-dev libbz2-dev libreadline-dev libsqlite3-dev
2. 公式リポジトリからpyenvをクローン
公式のpyenvリポジトリは以下のURLになります。ホームディレクトリ直下にクローンするには、次のコマンドを実行してください。
git clone https://github.com/pyenv/pyenv.git ~/.pyenv
3. 環境変数の設定
pyenvを利用するために、環境変数を設定します。
~/.bashrc
と ~/.profile
に以下の内容を追加してください(シェルに応じてファイルを選択する必要がありますが、Raspberry Pi では bash ですので、bash で解説します)。
export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"
export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"
eval "$(pyenv init -)"
設定を反映させるために、以下のコマンドを実行します。
source ~/.
bashrc
※ シェルがbash以外の場合(例: zsh)には、対応する設定ファイル(例: ~/.zshrc
)に同様の記述を追加してください。
Pythonバージョンの管理方法
利用可能なバージョンの確認
インストール可能な Python バージョンを確認するには、以下のコマンドを実行します。
pyenv install --list
特定のバージョンのインストール
希望するバージョンをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
pyenv install <version>
※ <version>
にはインストールしたいバージョン番号を指定してください。
バージョンの設定
- グローバル(システム全体)の設定:
全体で使用するデフォルトの Python バージョンを設定します。pyenv global <version>
- ローカル(プロジェクトごとの)設定:
プロジェクトディレクトリ内でのみ有効なバージョンを設定するには、以下のコマンドを実行します。pyenv local <version>
- シェル内でのみ有効な設定:
現在のシェルセッションだけで有効にする場合は、以下のコマンドを実行します。pyenv shell <version>
まとめ
pyenvを活用することで、Raspberry Pi OS 上でも複数の Python バージョンを簡単に管理し、プロジェクトごとに最適なバージョンを使い分けることが可能です。
さらに、仮想環境ツールと組み合わせることで、より柔軟かつ独立した開発環境を構築できます。Python のバージョン管理にお悩みの方は、ぜひpyenvをお試しください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、よい IoT ライフを!