みなさん、こんにちは。
2025年4月5日、GitHub Copilotに大きな変化が発表されました。GitHub Copilot Proユーザーの多くが、もしかすると、その「変化」にまだ気づいていないかもしれません。
今回は、以前まで「無制限」だと思って使っていた方にこそ知ってほしい、GitHub Copilot Proの新たな利用制限とプラン変更について、解説します。
ちなみに、私はGitHub Copilotのヘビーユーザーですが、GitHub Copilotを選んだ経緯はこちらで記事にしていますので、よろしければご参考ください。
GitHub Copilotに何が起こったのか?:「プレミアムリクエスト」導入の衝撃
GitHub Copilotはこれまで、Free/Proという2つの個人向けプランで提供されてきましたが、2025年4月5日に新たに「Copilot Pro+」が発表され、同時に「プレミアムリクエスト」という利用制限が導入されることが明らかになりました。
特にCopilot Proを使っていた多くのユーザーにとっては、この「プレミアムリクエスト制限」が“知らぬ間に導入された制限”となりかねない状況となっています。
これまでのGitHub Copilot Pro:ほぼ無制限だった
これまでの GitHub Copilot Pro(月額$10)は、明示的な制限がなく、「合理的な利用であれば無制限」というスタンスでした。 Claudeなど複数のAIモデルは、プレビューモデルでしたがアクセス可能で、コード補完やチャットの回数にも具体的な上限はありませんでした。
つまり、日常開発での使用で不自由を感じることはほとんどなかったのです。
2025年5月5日以降:Proにもプレミアムリクエスト制限が登場
しかし、5月5日以降、状況は一変します。 GitHub Copilot Proユーザーには、月間300件の「プレミアムリクエスト」制限が導入されるのです。
プレミアムリクエストとは?
プレミアムリクエストとは、GPT-4.5などの高性能AIモデルを利用する際にカウントされる特別なリクエストです。GitHub Copilot ChatやGitHub Copilot Edit、GitHub Copilot Agentなどで主に消費されます。
これを超えるとどうなるか?
追加で使いたい場合は、1リクエストあたり0.04ドルの課金が発生します。
知らずに使い続けると、ある日突然「利用できません」となる可能性もあるわけです。
新プラン「Copilot Pro+」の登場で何が変わる?
今回の変更に合わせて登場したのが「Copilot Pro+」(月額39ドル)です。 このプランでは以下のような特典が付与されます。
特典 | 内容 |
---|---|
プレミアムリクエスト上限 | 月1,500件まで |
モデルの利用範囲 | すべてのAIモデル(GPT-4.5等)にフルアクセス |
優先アクセス | 新機能やモデルへの先行アクセスあり |
追加リクエスト購入 | 可能($0.04/件) |
料金と機能の比較(2025年5月5日以降)
プラン | 月額料金 | プレミアムリクエスト | コード補完 | モデルの利用 |
---|---|---|---|---|
Free | 無料 | 月50件 | 月2,000件まで | 限定的(低性能モデル) |
Pro | $10 | 月300件 | 無制限 | 一部プレミアムモデルOK(GPT-4.5、o3にアクセス不可) |
Pro+ | $39 | 月1,500件 | 無制限 | フルアクセス(GPT-4.5、o3にアクセス可) |
GitHub Copilot Proユーザーが今すぐやるべきこと
今のうちに以下事項の確認をしておきましょう。
- 月300件の制限に引っかかっていないか確認
エージェント機能を多用していると、かなり早い段階で上限に達します。
- 使用状況を把握
残念ながら、どれだけリクエストを消費しているのか、GitHubで確認できるツールが記事執筆時点で提供されていません。
先日、マイクロソフトの担当者にヒアリングする機会があったのですが、リクエストの使用状況を確認できるようなツールがCopilotの設定ページに追加される予定と聞きました。それまでは特定の1日に絞って手動で自身の使用回数の傾向を確認しておくしかないでしょう。
もし心配であれば、GitHubの設定のBudgets and alertsで予算の上限が設定できるようになっているので、事前に設定しておきましょう。
- 必要に応じてPro+へアップグレードを検討
リクエスト消費量が多くなりがちなエージェント機能を頻繁に使っているなら、Pro+がお得になるケースもあります。利用状況に応じたプランの見直しを行っておきましょう。
Claude 3.7 Sonnetを主に使っているProユーザーはどうなる?
実はGitHub Copilot Proユーザーは、AnthropicのClaude 3.7 Sonnet を主に使っているという方が少なくありません。
2025年に入り、Claude系の性能が向上し、速度とレスポンスの良さ、そしてGPTとは異なる文脈の捉え方が評価され始めたことが背景にあります。とりわけ、Claude 3.7 Sonnet の登場以来、コード生成ならClaudeという状況が続いています。
これまでProプランでClaude 3.7 Sonnetを使っていた人は、あまり制限を意識したことはなかったはずです。
結論:Claude 3.7を使っていたら、制限の対象になる可能性が高い
Claude 3.7 Sonnet では「プレミアムリクエスト」を1消費します。つまり、「月300回のリクエストでClaude 3.7の制限に到達する」のです。
とりわけ、コード生成の優秀さから、エージェント機能でClaude 3.7を使っていれば、想像より早く制限に到達すると見ておくべきです。
実質的な影響とは?
- 月300件の制限が突然訪れるリスクがある
- 「今日はもうプレミアムリクエストを使い切っています」と言われて作業が止まる可能性
- 追加リクエストに課金が発生するリスク
最後に:「知らなかった」では済まされない時代へ
GitHub Copilotは進化し続けています。その一方で、より高度なAIには明確なコストが紐づく時代に入ったことを、私たちは意識する必要があります。
「Proを契約していれば大丈夫」、それは、もはや過去の話。
これを機に、みなさんもCopilotの使い方も見直してみましょう。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいGithub Copilotライフを!
参考リンク: