みなさん、こんにちは。
今日は、長年愛用してきたDropbox PaperからJoplinへメモアプリを乗り換えた経緯と、Joplinの設定方法についてご紹介したいと思います。
Dropbox Paperを使っていたけれど他のサービスに移行したいと考えている方や、Joplinの導入を検討している方の参考になれば幸いです。
Dropbox Paperの仕様変更と移行の決断
私は長い間、Dropbox Paperのユーザーでした。Dropbox Paperの一番気に入っていたところは、メモがファイルと別管理できることでした。通常のファイル管理と異なり、フォルダ構造を意識することなく、気軽にメモを作成・編集できる点が、自分の使い方に合っていたのです。
ところが、ある時からDropbox Paperの仕様が変わり、メモがDropbox内のフォルダにファイルとして保存されるようになりました。初期ユーザーだった私は特別扱いされていたようで、しばらくの間はこれまで通り、フォルダにファイルが作成されない仕様のまま利用できていました。しかし2025年初頭、とうとう私も新仕様に統合され、すべてのPaperのメモがDropbox内にファイルとして保存される形式へと移行されてしまいました。
「これはもう限界だ」と感じた私は、移行先のメモアプリを本格的に探すことにしました。
移行先に求めた条件
移行先のメモアプリに求めた条件は、以下の4つです。
- 複数端末で同期できること(クラウド同期が望ましい)
- マルチプラットフォーム対応であること(Windows、Linux、Androidに対応していること)
- Dropbox Paperから簡単に移行できること
- 運営会社の影響を極力受けないこと(メモ部分のサービスが特に影響を受けないこと)
この条件をもとに、いくつか候補を検討しました。
各候補の特徴と課題
- Evernote
老舗のメモアプリですが、無償版の機能が年々削減されてきました。最近では値上げや無料ユーザーへの制限強化もあり、長期的な利用に不安を覚えました。 - Notion
多機能で便利ですが、メモ用途としては機能が過剰で、操作も複雑。また無料版では制限も多く、気軽にメモを取るスタイルには合わないと感じました。 - Google Keep
Chromeの拡張機能で便利に使えますが、Googleが突如サービスを終了することがあるため、サービス継続性に疑問が残りました。 - Microsoft OneNote
Windowsユーザーには強い味方ですが、公式にはLinux版が提供されていません。非公式アプリ(P3X OneNote)で代用可能ですが、公式サポート外というのはやはり心配です。 - Joplin
オープンソースで、メモ機能に特化。同期先のクラウドサービスも自分で選べる柔軟性が魅力。JoplinはLaurent Cozic氏が始めたプロジェクトで現在はコミュニティベースで開発が行われています。将来メンテナーが不在になるリスクはありますが、ユーザー数も多く、当面は問題なさそうです。
最終的に、私はJoplinを選びました。必要な条件をすべて満たしており、なおかつオープンソースのため自分のデータの管理も自分次第。自由度の高さが決め手でした。
Joplinの設定手順
ここからは、Joplinの導入と設定について詳しくご紹介します。
1. Dropbox Paperからエクスポート
まず、Dropbox Paperで作成したメモをエクスポートします。
マークダウン形式でエクスポートするのがポイントです。Paperの設定画面やメモごとの「エクスポート」メニューから、形式を「Markdown」に選んで保存します。
この操作で、各メモが .md
という拡張子のテキストファイルとして出力されます。
2. Joplinのインストール
次に、各端末にJoplinをインストールします。
公式サイト(https://joplinapp.org/) から、自分のOSに合ったインストーラをダウンロードしてください。
- Windows
インストーラをダブルクリックして指示に従えばOK - Linux
ターミナルで以下を実行wget -O - https://raw.githubusercontent.com/laurent22/joplin/dev/Joplin_install_and_update.sh | bash
- Android
Google Playストアから「Joplin」で検索してインストール
3. 同期設定
Joplinの大きな特徴は、どのクラウドサービスを同期先に使うか自分で選べることです。
今回は既存のDropboxアカウントを利用することにしました。
Dropboxとの同期設定手順
- Joplinの画面上部メニューから「ツール」→「オプション」を選択
- 「同期」タブを開き、「同期ウィザードを開く」でDropboxを選択
- 表示されている認証リンクをクリック
- ブラウザが開き、Dropboxのログイン画面が表示される
- ログイン後、「Joplinにアクセスを許可」する
- ブラウザに認証コードが表示されるので、Joplinの入力欄にコピペ
- 入力をクリック
この操作で、JoplinとDropboxが連携され、以後はDropboxのアプリフォルダ内に専用フォルダが作成されます。フォルダは作成されますが、Joplinを使用する際にフォルダとファイルの構造を意識する必要はありません。
4. データのインポート
インストールが終わったら、先ほどエクスポートしたMarkdownファイルをJoplinにインポートします。
- Joplinの「ファイル」メニューから「インポート」→「Markdown(ディレクトリ)」または「Markdown(ファイル)」を選択
- 保存しておいたエクスポートファイルのフォルダ/ファイルを指定
- 自動的にJoplinのノートブックに変換されます
インポート後、各ノートのタグや構造は手動で整える必要がありますが、元のテキストデータはきちんと取り込まれます。
Joplinの使い勝手
Joplinはどのプラットフォームでも操作が統一されており、安心して使えます。
ただし、入力はMarkdown形式が基本。慣れていないと独特に感じるかもしれませんが、通常のリッチテキスト編集モードもあるので、無理にMarkdown記法を覚える必要はありません。
添付ファイルもサポートしており、PDFや画像などをノートに含めることも可能です。ただし、スペルチェック機能は英語や他の言語には対応していますが、日本語には未対応でした。
また、すべての端末で同期設定を行う必要があるため、初期設定は少し手間に感じるかもしれません。さらに、他のメモアプリと比べると同期に時間がかかる印象がありました。同期先にDropboxもしくはOneDriveを指定する場合、同期が遅いのはクラウドストレージ側の仕様のようです。複数端末で同時編集するようなケースでは、競合が発生する可能性があるので注意が必要です。
Joplinはシンプルな「検索して思い出す」用途には最適ですが、メモ同士の関係性やアイデアを視覚的に広げるような使い方には向いていない印象です。そのような用途では、私は別のツール(たとえばCosence)を併用しています。
結論
Dropbox Paperの仕様変更をきっかけにメモアプリを移行することになりましたが、Joplinは「蓄積した情報にすぐアクセスできる」メモアプリとして必要十分だと感じました。オープンソースで自由度も高く、自分のデータを自分で管理できる点も安心材料です。
ただし、「メモを元に発想を広げる」ような用途では他のアプリの方が適しているかもしれません。用途に応じて複数のツールを組み合わせるのが、これからの情報管理には必要だと改めて感じています。
みなさんも、自分のスタイルに合ったツール選びができるといいですね!
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、よいメモアプリライフを!