みなさん、こんにちは。
今回はHaiku OSを愛するみなさんに、最新のAIによるコード支援ツールを導入する有益な情報をお届けします!
Haiku OSでの開発において、現在、公式に対応が明言されているAI支援ツールはありません。
しかし、より効率的に、そして快適にコーディングを進めるためのAI支援は、現代の開発において必須となりつつあります。
Haiku OSにおけるコード支援ツールの現状
まず、Haiku OSで利用できるコード支援ツールの現状を整理してみましょう。
IDEの選択肢
統合開発環境(IDE)として考えられるのは、現状IntelliJ IDEAのみです。
HaikuDepotからインストールは可能ですが、IDEAはC#への対応が十分とは言えません。もし今後C#での開発を予定されているなら、他の選択肢を検討する必要があります。しかし、残念ながら、C#開発で広く利用されているVS CodeはHaiku OSにまだ対応していません。
ターミナルベースの選択肢
では、ターミナルベースのAIコード支援はどうでしょうか?
GitHub Copilotは魅力的な選択肢ですが、残念ながらHaiku OS用のGitHub CLIバイナリが存在しないため、利用できません。
そんな中で、選択肢として浮上するのが以下の3つです。
- Codex CLI
- Claude Code CLI
- Gemini CLI
これらのうち、もしGoogleアカウントをお持ちであれば、Gemini CLIが無料で利用できるという大きなメリットがあります。
そこで今回は、Haiku OSにGemini CLIをインストールし、AIによるコード支援を実現するまでの手順をご紹介することとします。
Node.jsの事前設定 – Gemini CLI導入の第一歩
Gemini CLIはNode.jsをベースとしているため、まずNode.jsの環境をHaiku OSに構築する必要があります。
1. Node.jsのインストール
Haiku OSのパッケージマネージャーであるHaikuDepot、もしくは以下のようにコマンドラインを使って、Node.js 20をインストールします。
pkgman install nodejs20
2. npmのグローバルインストールパスを設定
Haiku OSのシステムディレクトリはデフォルトで読み取り専用になっているため、npmがグローバルパッケージをインストールするディレクトリを変更する必要があります。ユーザーが書き込み可能なディレクトリを指定しましょう。
npm config set prefix '/boot/home/config/non-packaged/npm-global'
このコマンドにより、npmがグローバルパッケージをインストールする際に、指定したパス(/boot/home/config/non-packaged/npm-global
)を使用するようになります。
3. PATH環境変数を設定
次に、npmでグローバルインストールされた実行ファイルにPATHを通します。これにより、ターミナルから直接gemini
コマンドを実行できるようになります。
まず、お好みのテキストエディタで~/config/settings/profile
ファイルを開きます。Haiku OSをインストールしたばかりの場合、このファイルは存在しないことが多いので、その場合は新規に作成してください。
ファイルを開いたら、以下の行を追加します。
export PATH="/boot/home/config/non-packaged/npm-global/bin:$PATH"
ファイルを保存したら、設定を反映させるためにターミナルを再起動してください。以上でNode.jsの事前設定は完了です。
Gemini CLIのインストール
Node.jsの事前設定が完了したら、いよいよGemini CLIをnpmでインストールします。
以下のコマンドを実行してください。
npm install -g @google/gemini-cli

インストール中にundici
に関するNode.jsのバージョンが古いという警告が表示されますが、2025年7月8日現在、問題なくインストールが完了します。
動作確認と初期設定
インストールが完了したら、正しく動作するか確認し、初期設定を行います。
1. バージョンの確認
まず、gemini --version
コマンドを実行して、インストールされたGemini CLIのバージョンを確認します。
gemini --version
バージョン0.1.9
が正常に表示されれば、インストールは成功です!

2. 初期設定(Google認証)
次に、gemini
コマンドを実行して初期設定を行います。

初期設定の際、認証で通常は自動的にブラウザが開きGoogle認証が行われるのですが、Haiku OS環境ではブラウザがうまく開きませんでした。
そこで、デバッグモードを利用して認証を行います。
Gemini CLIをデバッグモードで起動します。
gemini --debug
デバッグモードで起動すると、詳細なログが表示され、指示に従って進めることができます。
テーマの選択を求められた際は、Haikuのターミナルのデフォルト背景が白なので、今回は「Default Light」を選択しました。

認証方法では「Login with Google」を選択すると、認証用のリンクが表示されます。このリンクをコピーし、Haiku OSの標準ブラウザであるWebPositiveで開いてください。

WebPositive上でGoogle認証が成功すれば、Gemini CLIがHaiku OS上で利用できるようになります!
対話モードでHello Worldを試してみよう!
設定が完了したら、実際にGemini CLIの対話モードでコード生成を試してみましょう。
gemini
コマンドを実行して対話モードに入ります。
gemini
プロンプトとして、例えば以下のように入力してみます。
boot/home/Desktop/gemini_test/helloworld.pyにhello world!と表示するpythonプログラムを作成して
Geminiがプログラムを生成し、以下のように1行のPythonコードを提案してくれます。
print("hello world!")
そして、この変更を適用してよいか尋ねられます。ここで「yes, allow once」を選択してEnterキーを押してください。

すると、指定したパスにPythonプログラムが書き込まれます。ファイルの書き込み権限も問題なく付与されていることが確認できました。

まとめ
やりました!Haiku OS上でも無事にGemini CLIをインストールし、AIによるコード生成まで成功しました!
これにより、Haiku OSでの開発において、よりスマートで効率的なコード支援が手に入ります。特に、IDEの選択肢が限られているHaiku OSにおいて、ターミナルベースで手軽にAIの力を借りられるようになったのは大きな進歩ではないでしょうか。
みなさんも、ぜひGemini CLI導入に挑戦してみてください!Haiku OSでの開発が、より楽しく、そして効率的になること請け合いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいHaiku OSライフを!