みなさん、こんにちは。
今回は、以前ご紹介したユニークなデスクトップOSとして知られるHaiku OSで、Javaの開発環境を整える方法についてご紹介します。
私自身、HaikuでJava 19の開発環境が必要になったので、その時の手順をメモとしてまとめました。Haiku OSでのJava開発に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
手順1:HaikuDepotでOpenJDKをインストールする
Haiku OSには、非常に便利なパッケージ管理ツール「HaikuDepot」があります。まずはここからJavaをインストールします。
openjdk19
とopenjdk19_jre
をHaikuDepotからインストールします。- 2025年6月10日現在、HaikuDepotでは OpenJDK 24までインストール可能 です。もし長期サポート (LTS) 版を使いたい場合は、OpenJDK 21 を選んでおくのが無難でしょう。

手順2:Mavenをインストール
Javaプロジェクトのビルドに欠かせないMavenですが、HaikuDepotからは直接インストールできません。
しかし、ご安心ください!Apache Mavenの公式サイトからダウンロードできるバイナリは、Haiku OSでも問題なく動作します。
- Apache Mavenのウェブサイトにアクセスし、最新の安定版バイナリをダウンロードします。
- 2025年6月10日現在の最新版は 3.9.10 です。
- ダウンロードリンクの例
- https://dlcdn.apache.org/maven/maven-3/3.9.10/binaries/apache-maven-3.9.10-bin.tar.gz
- ダウンロードしたファイルを、
/boot/home/tools
ディレクトリに展開します。 - ターミナルを開き、
/boot/home/tools
に移動して、シンボリックリンクを作成します。
cd /boot/home/tools
ln -s apache-maven-3.9.10 apache-maven
こうしておけば、今後Mavenのバージョンを更新する際に、シンボリックリンクの指す先を変更するだけで済みます。
手順3:環境設定ファイルを編集する
次に、JavaとMavenが正しく認識されるように、環境変数を設定します。Haiku OSでは、ユーザーのホームディレクトリにある~/config/settings/profile
ファイルに設定を追加するのが一般的です。
まだファイルがない場合は、作成します。
touch ~/config/settings/profile
作成した profile
ファイルをテキストエディタで開き、以下の内容を追記します。
# JAVA_HOME
export JAVA_HOME=/boot/system/lib/openjdk19
# JAVA_Bin
export PATH=$PATH:$JAVA_HOME/bin
# Common path to install the tools you need for Java development
export TOOLS_HOME=$HOME/tools
# Point the M2_HOME variable to the Maven installation directory
export M2_HOME=$TOOLS_HOME/apache-maven
# Append each tool to the PATH variable, so it can be found when using the CLI
export PATH=$PATH:$M2_HOME/bin
注意:JAVA_HOME
のパスが、HaikuDepotでインストールしたOpenJDK 19の実際のパスと一致しているか確認してください。
ファイルを保存した後、一度ターミナルを閉じ、再度開いてください。
新しいターミナルで java --version
と mvn --version
を実行し、それぞれバージョン情報が正常に表示されれば、環境設定は完了です!

いくつかの注意点
Haiku OSでJava開発を行う上で、いくつか気をつけておきたい点があります。
- Javaコマンドパスの確認
以前の記事でJavaのパスを環境変数に登録する代わりに、シンボリックリンクを貼る手法を紹介していました。もしリンクを作成済みであれば、競合を避けるために削除しておくことをお勧めします。rm /boot/system/non-packaged/bin/java
- MavenのOSチェックを無効にする
Mavenがビルド時にOSチェックを行い、Haiku OSを認識できない場合にエラーを出すことがあります。その際は、ビルドコマンドに以下のオプションを追加してOSチェックを無効にしてください。mvn -DfailOnUnknownOS=false
- GPGチェックのスキップ
同様に、Mavenのビルド中にGPG(GNU Privacy Guard)のチェックで弾かれてしまう場合もあります。その際は、以下のオプションを追加してGPGチェックをスキップできます。mvn -Dgpg.skip
参考サイト
今回の設定にあたり、以下のブログ記事を参考にさせていただきました。
Haiku OSでのJava開発は、まだ発展途上の部分もありますが、基本的な環境は比較的簡単に構築できます。
この記事が、皆さんのHaiku OSでのJava開発の一助となれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいHaiku OSライフを!