みなさん、こんにちは。
突然ですが、Haiku OSをご存じでしょうか?知らない方は、まずは以下の記事をご参照ください。
このHaiku OS、数年前は実用に程遠かったのですが、最近改めて試してみたところ、かなり仕上がってきているように感じました。
もしかしたらHaiku OS上でVS Code(もしくはそのOSSクローンであるVSCodium)を動かして開発できるのではないか、そんな期待を抱き、調査を始めました。
すると、CodePositiveという興味深いプロジェクトを見つけました。
READMEなどの説明が一切なく、詳細は不明でしたが、Haikuの公式フォーラムにPoCとして紹介されているスレッドがありましたので、試してみることにしました。
参考: CodePositive – PoC of VScode on Haiku
インストール準備
まずはHaikuDepotを使って、以下のパッケージをインストールします。
必須パッケージ:
nodejs20
(※nodejs16
では起動しませんでした)Git
CMake
任意(あると便利です):
HaikuWebKit
libwebsockets
また、以下の開発用パッケージはメニューの表示から「開発用パッケージ」にチェックをいれてインストールします。
haikuwebkit_devel
libwebsockets_devel
CodePositiveのビルド
必要な環境が整ったら、CodePositiveのビルドを行います。以下のコマンドを順に実行してください。
git clone https://github.com/kenz-gelsoft/codepositive.git
cd codepositive
cmake . && make
これで、CodePositiveというバイナリファイルが生成されます。私はデスクトップ上にクローンして作業しました。

VSCodium Web版の設定
次に、VSCodiumのWeb版(ブラウザで動作するVS Code)をセットアップします。
以下のURLから最新のVSCodium Web Host版をダウンロードします(2025年4月時点)。
VSCodium Web Release – v1.99.22418
ダウンロード後、解凍して展開します。私はデスクトップにcode+
というフォルダを作成して、その中に展開しました。
展開したフォルダ内にあるnode
というファイルを削除してください(Haikuで使用するNode.jsは、HaikuDepotでインストールしたnodejs20
を利用するためです)。
rm node

起動手順
まず、VSCodiumのWebサーバーを起動します。
node out/server-main.js
起動後、「Web UI available at http://localhost:8000?tkn=xxxx...
」というような行が表示されます。そのURLをコピーしておきます。

次に、ビルド済みのCodePositive
を使って、そのURLに接続します。
./CodePositive http://localhost:8000?tkn=xxxx...
すると、CodePositiveのウィンドウが開き、その中にVS Codeの画面が表示されます。

試してみた感想と課題
結果として、VS CodeのUIをHaikuのネイティブアプリのように表示することができました。これは想像以上に興味深い体験でした。
ただし、あくまで「PoC(Proof of Concept)」の段階であり、現時点では常用できるものではありません。以下のような課題があります。
- 起動時にWebSocketのエラーが出力されます
- ローカルのファイルにアクセスすることができません(ファイルを開く操作が機能しません)
- 動作が不安定で、実際にコードを書くというよりは、「表示できた」という段階に留まっています
開発者の方は現在、Haiku向けにFirefoxを移植する作業に注力されており、CodePositiveについては今後のメンテナンス予定がないとのことです。とはいえ、ソースコードは公開されているため、有志によるフォークや改良が期待されます。
まとめ
CodePositiveはまだ実用レベルとは言えませんが、HaikuでVS Codeを動かそうとする試みとして、大きな一歩だと感じました。このようなプロジェクトが少しずつ増えていくことで、Haiku上の開発環境もより充実していくのではないかと思います。
Haikuやオープンソースに関心のある開発者の皆さん、ぜひCodePositiveを試してみてください。そして、もし可能であればこのプロジェクトを引き継いで、Haikuに新しい風を吹き込んでいただけたら嬉しいです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいHaiku OSライフを!
ピンバック: IoT端末のOSとしてHaiku OS の可能性を探る - ビューローみかみ