みなさん、こんにちは。
VirtualBoxでHaikuOSを使っていると、いつの間にかディスク容量が足りなくなることってありませんか?特に、開発のためにアプリケーションをいろいろインストールしたりしていると、あっという間にストレージが逼迫してしまいますよね。
一般的な仮想OSでは、仮想ディスクを拡張した後、OS側でパーティションサイズを広げることで対応できます。しかし、HaikuOSには標準でパーティション操作ツールが用意されていないため、単純に仮想ディスクを大きくしただけでは、その恩恵にあずかることができません。
そこで今回は、HaikuOSならではのちょっとユニークだけど確実な方法をご紹介します!それは、新しい大容量の仮想ディスクに現在のHaikuOS環境を丸ごとコピーして、そちらを起動ディスクとして使うという方法です。
実はこの方法、HaikuOSの環境移行で昔から使われてきた「定番の手法」なのです。私も今回、ディスク容量不足に直面したのを機に試してみたので、その手順を詳しく解説していきます!
ステップ1:新しいVDI(仮想ディスク)を追加する
まずは、VirtualBoxのHaikuOS仮想マシンに、新しい大容量の仮想ディスクを追加します。
- VirtualBoxマネージャーを開き、対象のHaikuOS仮想マシンを選択します。
- 「設定」をクリックし、「ストレージ」タブに移動します。
- 「コントローラ」(通常はSATAなど)を選択した状態で、その下にある「ハードディスクを追加」アイコン(プラス記号のあるディスクのアイコン)をクリックします。
- 表示されたダイアログで「作成」ボタンをクリックします。
- 仮想ハードディスクの作成ウィザードが開くので、以下の項目を設定します。
- ファイルの種類: VDI (VirtualBox Disk Image) を選択。
- 物理ハードディスクにあるストレージ: 可変サイズ を選択。
- ファイルの場所とサイズ: 任意の保存場所を指定し、希望のサイズ(例: 40 GB)を設定します。元のディスクよりも十分大きく設定しましょう。
- 「作成」をクリックして新しいVDIファイルを作成します。
- 作成されたディスクがストレージツリーに表示されるので、それを選択して「OK」を押して仮想マシンの設定を保存します。

⚠️ 重要: この時点では、まだ新しいディスクから起動するように設定を変更しないでください。
ステップ2:Haikuを起動し、新しいディスクを準備する
次に、既存のHaikuOSから通常通り起動し、追加したばかりの新しいディスクをHaikuOSが使えるようにフォーマットします。
- HaikuOS仮想マシンを通常通り起動します。
- HaikuOSのデスクトップが表示されたら、「Applications」メニューから「DriveSetup」を起動します。
- DriveSetupのウィンドウで、先ほど追加した空のディスク(容量で判別できます)を選択します。
- ツールバーの「ディスク」メニューから「初期化」→「Intel Partition Map (MBR)」または「GPT Partition Map」を実行します。
- 既存のHaikuOSがBIOSブートの場合: MBRを選択。
- 既存のHaikuOSがUEFIブートの場合: GPTを選択。
- 初期化が完了したら、新しくできた「空き領域」を選択し、「Create」ボタンをクリックします。
- パーティション作成ダイアログで、以下を設定します。
- Partition size: 「すべて」を選択(例: 40 GB)。
- File system: 「Be File System (BFS)」を選択。
- 「Active partition」にチェックを入れます。
- パーティションが作成されたら、作成したパーティションを右クリックし、「Format」→「Be File System」でフォーマットします。
これで、ブート可能な大容量のBe File System (BFS) パーティションが準備できました!

ステップ3:インストーラーでシステムを新しいディスクへコピーする
いよいよ、現在のHaikuOS環境を新しいディスクにコピーします。これには、HaikuOS標準の「インストーラー」アプリが非常に役立ちます。
- 「Applications」メニューから「インストーラー」を起動します。
- インストーラーウィンドウで、「インストール元」が現在起動しているボリューム(現在のHaikuOSがインストールされているディスク)に自動で選択されていることを確認します。
- 「インストール先」として、先ほどDriveSetupで準備した新しいパーティション(大容量で空のBFSパーティション、下画像ではHaikuというパーティション)を指定します。
- 「開始」ボタンをクリックします。
- このプロセスでは、
system/
ディレクトリとhome/
ディレクトリを含むすべてのファイルが新しいディスクにコピーされます。つまり、ユーザーデータや設定なども含め、現在の環境が丸ごと移行されます。
- このプロセスでは、
- コピーが完了したら、インストーラーのツールメニューから「ブートセクターを'[インストール先のディスク名]’に書き込む」を実行します(MBR/Legacyブートの場合)。[インストール先のディスク名]は作成したパーティション名で読み替えてください。
- UEFIモードで起動している場合は、「ツール」→「Write Boot Loader to EFI System Partition」を実行します。
ステップ4:新しいディスクから起動するように設定を変更する
システムを新しいディスクにコピーし、ブートローダーも書き込んだら、VirtualBoxの設定を変更して、新しいディスクからHaikuOSが起動するようにします。
- HaikuOSをシャットダウンします。
- VirtualBoxマネージャーに戻り、対象のHaikuOS仮想マシンを選択して「設定」をクリックします。
- 「システム」タブに移動し、「ブート順序」で、新ディスクが接続されているコントローラ/ポート(例: SATAポート1)を一番上(先頭)に移動します。
- あるいは、一時的に旧ディスクを「接続解除」(ストレージタブで旧ディスクを選択し、属性の「ストレージコントローラーから接続を解除」アイコンをクリック)しても構いません。
- あるいは、一時的に旧ディスクを「接続解除」(ストレージタブで旧ディスクを選択し、属性の「ストレージコントローラーから接続を解除」アイコンをクリック)しても構いません。
- 「OK」を押して設定を保存します。
- 仮想マシンを起動し、HaikuOSが新しいディスクから正常に立ち上がることを確認します。
- BIOSモードの場合はShiftキー、UEFIモードの場合はSpaceキーを起動時に押すと、ブートオプションメニューが表示され、新しいパーティションを選んで起動できる場合もあります。

ステップ5:旧ディスクを削除する
新しいディスクからの起動が正常に確認できたら、役割を終えた古い仮想ディスクは削除してしまいましょう。
- VirtualBoxマネージャーで、対象のHaikuOS仮想マシンを選択し、「設定」→「ストレージ」タブに移動します。
- 旧VDI(元の小さいディスク)を選択し、ディスクアイコンの横にある「ストレージツリーから選択されたストレージを除去」アイコン(マイナス記号のディスクアイコン)をクリックします。
- ホストOS側(WindowsやmacOSなど)で、除去した
.vdi
ファイル(VirtualBoxの仮想ディスクファイル)をゴミ箱に移動して、ディスクの空き容量を確保します。

まとめ
これで、HaikuOSの仮想ディスクサイズ拡張と環境移行が完了しました!ホストOSのディスクに十分な空き容量があれば、比較的簡単に実行できますので、HaikuOSのディスク容量に悩んでいる方はぜひこの方法を試してみてください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいHaikuOSライフを!