みなさん、こんにちは。
IoTシステムの開発を行う際、インターネット接続が許可されない環境でシステムを構築しなければならない場合があります。
そんな中、OSにWindows Serverを使用していると、Windowsへのログオン時に自動でMicrosoft Edgeが起動してしまい、ネットワーク接続の有無に関わらず不要なサインインページが表示されるという現象に悩まされることも。
これは仕様上の動作ですが、毎回Edgeを閉じるのは非常に面倒ですよね。
そこで今回は、このEdgeの自動起動を無効化するための方法をご紹介します。主に、ネットワーク接続状況を判断するNCSI(Network Connectivity Status Indicator)の動作を抑制することで、Edgeの起動を防ぐ手法です。
NCSIとは?
Windowsは、起動時にインターネット接続の状態を確認するため、NCSIという仕組みを利用しています。
NCSIは以下の2種類のプローブを実施しています。
- アクティブプローブ:指定のURLにアクセスし、インターネット接続の有無を判断する
- パッシブプローブ:システム内のネットワークトラフィックなどから接続状態を推測する
このプローブが原因で、ログオン時に自動でEdgeが起動してしまうことがあります。そこで、これらのプローブを無効化する回避策をご紹介します。
回避策その1:レジストリの設定変更
【アクティブプローブの無効化】
以下のレジストリキーを設定・作成してください。
- パス:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\NlaSvc\Parameters\Internet\EnableActiveProbing
キーの種類: DWORD
値:0
(False) - パス:
HKLM\Software\Policies\Microsoft\Windows\NetworkConnectivityStatusIndicator\NoActiveProbe
キーの種類: DWORD
値:1
(True)
注意
既定のレジストリ構成では、これらのエントリは存在しません。手動で新規に作成する必要があります。
また、レジストリの変更はシステムに重大な影響を及ぼす可能性があるため、必ずバックアップを取ってから作業してください。
【パッシブプローブの無効化】
以下のレジストリキーを作成してください。
- パス:
HKLM\Software\Policies\Microsoft\Windows\NetworkConnectivityStatusIndicator\DisablePassivePolling
キーの種類: DWORD
値:1
(True)
注意
このエントリも既定では存在しないため、手動で作成が必要です。
回避策その2:グループ ポリシー オブジェクト(GPO)の設定変更
レジストリ設定が難しい場合は、グループ ポリシーを利用する方法もあります。
【アクティブプローブの無効化】
- パス:
Computer Configuration\Administrative Templates\System\Internet Communication Management\Internet Communication Settings\Turn off Windows Network Connectivity Status Indicator active tests
- 設定: 「有効」に設定する
【パッシブプローブの無効化】
- パス:
Computer Configuration\Administrative Templates\Network\Network Connectivity Status Indicator\Specify Passive Polling
- 設定: 「有効」に設定する
詳細情報と参考リンク
より詳しい情報や最新の設定方法については、マイクロソフトの公式サイトをご参照ください。
コンピューターが企業ネットワークまたはパブリック ネットワークに接続すると、Internet Explorer または Edge ウィンドウが開きます
まとめ
Windows Server環境でインターネット接続のない状況下において、Edgeの自動起動が煩わしい場合は、NCSIのアクティブおよびパッシブプローブを無効化することで対策が可能です。
レジストリやグループ ポリシーを用いた設定変更により、不要なブラウザの起動を防ぎ、快適なシステム運用が実現できるでしょう。
それでは、良いIoTライフをお過ごしください!
ピンバック: Windows Server環境でNTPサーバーを構築する方法 - ビューローみかみ