みなさん、こんにちは。
先月の記事「GitHub Copilotは私にはもう最適ではなくなってしまった。Claude移行への決断まで」でお伝えした通り、私は長年愛用していた GitHub Copilot を離れ、2026年6月より Anthropic の Claude Pro へと完全移行しました。
乗り換えを決意した最大の理由は、やはり「コストの増大」です。月額定額からトークンベースの従量課金へと舵を切ったCopilotの新料金シミュレーションで、まさかの「6倍(600%)値上げ」という数字を突きつけられ、阿鼻叫喚した末の撤退でした。CLIやエージェントモードを開発の主軸に据えている身としては、財布の紐を緩め続けるわけにはいかなかったのです。
あれから実際に Claude Pro への移行を済ませ、環境構築と実務への投入を行いました。今回は、私が Copilot から Claude へ乗り換えて「まずやったこと」と、実際の使用感についてレポートします。
定額制の安心感と、予想外の「制限」のリアル
Claude Pro は月額 $20(年払いなら $18)の完全定額制です。青天井の従量課金に怯える必要がないだけで、精神的なコストは大幅に引き下げられました。
「定額な分、制限が厳しいのでは?」と懸念していましたが、実際に使ってみると、驚くほど制限を感じにくいというのが率直な感想です。その背景には、Anthropic が SpaceX との大規模なコンピュート契約を結んだことで、2026年5月6日に Claude Code の5時間レート制限を2倍に引き上げ、ピーク時間帯の制限削減も廃止したというニュースがありました。
ただし、良いことばかりではありません。「実行速度」自体は、Copilot 時代に比べてかなり遅く感じます。 作業を開始する前の「考える時間(思考プロセス)」がやたらと長いのです。Copilot 側で同じモデル(Claude Sonnet 4.6)を呼び出していた時と比べても明らかに遅いため、ユーザー別にコンピューティング時間を制限(サボらせて調整)しているのでは……と勘ぐりたくなるレベルですが、定額ゆえのトレードオフとして受け入れています。
ここで、Claude Pro の「制限」の仕組みを確認しておきましょう。
1. 使用量制限(メッセージ頻度)
5時間ごとにリセットされるセッション制限と、週次の上限があります。Pro プランは無料版の5倍以上の使用量が保証されています。半月ほどコーディングを行いましたが、私の「タスクを細かく刻んで1時間以内で終わる作業を繰り返す」という開発スタイルのおかげか、一度も制限に達していません。
2. コンテキスト長制限
1会話あたり「20万トークン」のコンテキストウィンドウが割り当てられています。
Claude Code による CLI 開発もこの使用量プールから引かれるため、長時間のエージェントセッションをいくつも並列でブン回すようなヘビーな使い方には向きませんが、1対1で対話しながら進めるインタラクティブな開発には必要十分です。
Claude Code で Copilot CLI と同等の環境を作る
Copilot の Agentモード・CLI でやっていたことは、「Claude Code」 でほぼすべて代替可能です。
| 機能 | GitHub Copilot Pro | Claude Code |
| CLI ツール | gh copilot CLI | claude CLI |
| エージェントモード | 搭載 | 搭載(同等以上の自律性) |
| IDE 統合 | VS Code 拡張 | VS Code / JetBrains 拡張 |
| 外部連携 | GitHub 密結合 | GitHub / GitLab + MCP 連携 |
Claude Code は Pro プランに標準で含まれており、追加料金なしでターミナルやエディタから利用できます。私は Windows 11 上の WSL2(Ubuntu 22.04)環境に npm で一発インストールしました。
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
医療系システム開発を見据えた、鉄壁の初期設定
移行後、実務に耐えうる「安全で賢い開発環境」を作るために行った5つの設定を紹介します。私はカメラとOCRを組み合わせた医療IoTシステムなどを扱っているため、セキュリティと確実性には人一倍ナーバスです。
設定1 – claude.ai のメモリ設定
Web側の設定画面で、以下の2つのトグルを ON にしました。
- 「チャットを検索・参照」: 過去の会話から関連情報を検索
- 「チャット履歴からメモリを生成」: 会話から重要な文脈を記憶

これにより、開発中プロジェクトのアーキテクチャや設計方針を、新しいセッションのたびに毎回説明し直すという不毛な手間が消え去ります。
設定2 – プルリクエスト(PR)の安全設定
- プルリクエストを自動的に作成する: ON
- ドラフトとして作成: ON(最重要)
- プルリクエストを自動修正: ON

「ドラフトとして作成」を必ず有効にしてください。Claude が自律的にコードを書いて PR を出しても、最初は必ず「Draft」扱いになります。バグや考慮漏れのあるコードが、意図せず本番環境にマージされるリスクを未然に防ぎます。医療系システムにおいて、ここは絶対に譲れない一線です。
設定3 – リポジトリ共有設定
- リポジトリへのアクセスを必須にする: ON
- 名前を表示する: ON

厳格なデータハンドリングが求められる医療系開発において、リポジトリへのアクセス制限を明確に定義しておくことは必須の防衛策です。
設定4 – GitHub MCP の設定(Issue から PR までの自動化)
Claude の最大の特徴である「MCP(Model Context Protocol)」を使い、Claude Code から GitHub を直接操作できるようにします。
- GitHub PAT(個人アクセストークン)の作成
GitHub のSettings➔Developer settings➔Personal access tokens➔Fine-grained tokensでトークンを発行します。医療系システムへの配慮として、不要な権限(Write権限)は最小限に絞り込みます。contents: Read & Writepull_requests: Read & Writeissues: Read onlymetadata: Read onlyactions: Read only
- ターミナルで MCP 登録
Claude Code を起動する前に、以下のコマンドで GitHub API と接続します(YOUR_GITHUB_PATに作成したトークンを代入)。
claude mcp add-json github '{"type":"http","url":"https://api.githubcopilot.com/mcp","headers":{"Authorization":"Bearer YOUR_GITHUB_PAT"}}'
- 起動と確認
ターミナルでclaudeを起動し、/mcpコマンドを叩きます。
一覧に/github:AssignCodingAgentなどの使い慣れたエージェントコマンドが現れれば成功です。これで「Issue を読み込ませて、自動でコードを書き、PRを出す」という一連の作業がターミナル内だけで完結します。

設定5 – リポジトリの取扱説明書「CLAUDE.md」の設置
リポジトリのルート直下に CLAUDE.md というファイルを配置しておくと、Claude Code が起動時に必ず自動で読み込んでくれます。プロジェクト固有の文脈(仕様やルール)をここに明記しておきます。
# プロジェクト概要
カメラ+OCRでデータを取得する医療IoTシステム。
## 技術スタック
- Python / PostgreSQL / Docker / AWS / Linux
## 開発ルール
- PRは必ずドラフトで出す
- 医療データを含むコードはレビュー必須
- コミットメッセージは日本語でOK
限られた枠を最大化する「使い方のコツ」
定額とはいえ、20万トークンの枠を上手にやりくりするにはちょっとしたコツが必要です。私の開発スタイルと相性の良かった3つの指針をご紹介します。
/compactを定期的に実行する
会話の履歴が長くなってきたら、このコマンドで文脈を圧縮します。これだけでトークンの消費を劇的に節約できます。- 機能単位で新セッションを切る
1つのセッションをダラダラと引き伸ばさず、実装したい機能ごとに小まめにセッションを新しくします。私の「タスクを細かく刻む」スタイルに完璧にフィットしています。 - Plan Mode で確認してから実行
Shift + Tabで Plan Mode に切り替えられます。Claude がファイルを実際に書き換える前に、どのような計画で動くのかを事前レビューできるため、手戻りとトークンの無駄遣いを防げます。
コストの予測可能性という「最大の安心」
結論として、「タスクを刻んで短時間で集中して作業を繰り返す」というスタイルを持ったエンジニアにとって、Claude Pro + Claude Code は GitHub Copilot Pro の代替として十二分に機能します……というか上位互換かもしれません。
完全定額でエージェントモードが使え、GitHub MCP を通じて Issue から PR まで一気通貫で動かせる。「今月は一体いくらの請求が来るのだろう」という従量課金の恐怖から解放され、コストの予測可能性を担保できることは、SOHOの経営において何よりの安心材料です。
今後、もし並列でのヘビーなエージェント作業が爆発的に増えるようなことがあれば、上位の「Maxプラン(月額$100)」への移行も視野に入りますが、現在の開発規模であればこの Pro プランで必要十分だと感じています。
さて、基盤が整ったところで、次は Claude を使ってフロントエンドのUI構築にも挑戦してみたいと考えています。その時がきたら、また、当サイトでレポートしたいと思います!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいClaudeライフを!



