みなさん、こんにちは。
2026年4月29日、GitHub Copilotが「従量課金制(Usage-Based Billing)」への移行を正式に発表した直後、私は「定額の終焉」はプロへの招待状。私が他へ移らず、GitHub Copilotを「最強のハブ」として使い続ける理由という記事を書きました。
当時は、会社を跨いで最新モデルを使い分けられる「マルチモデル・ハブ」としての価値を評価し、「制限を恐れずにCopilotに留まるべきだ」と息巻いていたのです。実施開始は2026年6月1日からですが、5月中はプレビュー期間として、ユーザーが新しいプランでの金額シミュレーション機能を試すことができます。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」。私はさっそく、このシミュレーション機能を利用して、自分の開発スタイルにおけるリアルなコストを算出してみました。
そして、結論から申し上げます。
私は、2年半以上愛用し、散々推してきたGitHub Copilot を解約し、AnthropicのClaudeへ完全移行することを決意しました。
あんなにCopilotの優位性を語っていた私が、なぜ手のひらを返すような決断に至ったのか。今回は、シミュレーションの生々しい結果とともに、SOHO技術者としての冷徹なコスト計算の裏側を共有したいと思います。
ユーザーフレンドリーとは言えないシミュレーションの手順
まずは、GitHubが提供を開始したシミュレーション機能を試してみました。手順は以下の通りなのですが、正直なところ「なぜもう少し洗練されたUIにできなかったのか」と疑問が残る、少々骨の折れる仕様になっています。
手順1 – プレミアムリクエストデータの出力申請
GitHubのトップページから、以下の順で深い階層へと進みます。
Settings ➔ Billing and licensing ➔ Premium request analytics ➔ 「Preview your usage」をクリック ➔ 「Download CSV」


ここから申請を行うと、データ生成完了の通知メールが届き、ようやくCSVがダウンロードできるようになります。ちなみに、2026年5月時点でダウンロードできるのは、直近である「2026年4月分」のデータでした。

手順2 – 特設ページへのアップロード
ダウンロードしたCSVを、以下のGitHub特設シミュレーションページにアップロードします。
UIの不便さに首を傾げつつもデータをアップロードした瞬間、私はディスプレイに表示された数字を見て、文字通り凍りつくことになりました。

突きつけられた現実 – 脅威の「600%値上げ」
画面には、現在の請求額(CURRENT BILLING)と、6月1日以降の新しい従量課金制が適用された場合の請求額(USAGE-BASED BILLING)が並んで表示されます。
みなさんのシミュレーション結果はいかがだったでしょうか。私の場合、結果はこうでした。
- CURRENT BILLING (旧PROプラン):
$10.00 - USAGE-BASED BILLING (新料金適用):
$59.93
請求額、およそ6倍。

事前情報では、「Agentモードを多用するより、Planモードを主軸にして一括実装していれば、トークン消費量が抑えられるため価格的インパクトは少ない」という触れ込みだったはずです。前回の記事でも、私はドヤ顔で「Planモードでトークン効率を最大化する」と書きました。
実際、私は普段からPlanモードを多めに使い、無駄なチャットを削る打鍵を意識していたはずです。それでもなお、ラズパイ開発における微修正やエージェント機能の裏側でのコンテキスト消費が、想像以上に「トークンを食いつぶしていた」という現実がデータとして突きつけられたのです。
さらにレポートを読み進めると、GitHubから親切(?)な提案が書かれていました。
「Pro+にプラン変更すれば、$20.93のコスト削減が可能です」
ここで、6月1日からの新プランの料金表をもう一度おさらいしてみましょう。
- Proプラン: 月額
$10(据え置きだが、超過分は完全従量課金) - Pro+プラン: 月額
$39(今回の改定で値上げ)
つまり、GitHubのレポートが言いたいのはこういうことです。「あなたの使い方だと、月$10のProプランでは大赤字($59.93)になります。でも、月$39のPro+プランにアップグレードしてくれれば、基本枠に収まるのでこれ以上の追加課金はありませんよ」と。
なるほど、合点がいきました。要するに、GitHubとしては「従来の月$10という安価なプランで、生成AIをガンガン回すような使い方はもうさせない。開発者なら月$39(Pro+)を払うのが新しいスタンダードだ」というメッセージなのです。

なぜ「Pro+」ではなく「Claude Pro」?
月額$39(約6,000円)という金額は、プロの道具への投資として出せない額ではありません。しかし、私はSOHOの経営者でもあります。「もっとコストパフォーマンスの良い選択肢はないか?」と考えるのは当然の帰結です。
そこで浮上したのが、みなさんご存知のAnthropic「Claude Pro」です。
現在、ClaudeのProプランは月額$20で提供されています。WEB上の先行情報や開発者コミュニティの報告を精査する限り、Claude Proのトークン制限(メッセージ上限)がかかるまでの容量は、Copilotの新Pro+プランと同等か、あるいはそれ以上である可能性が極めて高いことが分かってきました。
ここで、冷静に選択肢を比較してみます。
| 選択肢 | 月額コスト | 旧プラン($10)比 | 特徴 |
| Copilot Pro (そのまま) | 約 $59.93 (従量込み) | 約6倍 | 完全に予算コントロールを失うリスクあり |
| Copilot Pro+ (アップグレード) | $39.00 | 約4倍 | 開発環境の統合力は高いが、割高感は否めない |
| Claude Pro (移行) | $20.00 | 約2倍 | 高い推論能力、連続作業への圧倒的なタフさ |
私はCopilotのマルチモデル機能の中でも、レスポンスの軽快な「Claude Haiku 4.6」をメインに据えていました。つまり、モデルの出力傾向そのものは、本家Claudeに移行しても違和感がないということです。
そうであるならば、答えは即決でした。「Claudeに移行する」。
さすがに、何の手も打たずに6倍、対策しても4倍の値上げを受け入れるより、2倍のコスト増に抑えつつ、長文の文脈理解や連続作業に圧倒的な強さを持つClaudeに投資する方が、遥かに合理的です。
もちろん、VS Codeとの密結合や、GitHubへのプルリクエスト(PR)自動作成、自動レビューといった「エコシステムとしての利便性」はCopilotに一日の長があります。しかし、私の現在のワークフローを精査したところ、ハードウェア寄りのラズパイ開発や単体でのコード生成が中心であり、GitHub連携の恩恵が多少弱まったとしても、実務への影響は軽微であるという結論に達しました。
私の心は決まりました。
さようなら、GitHub Copilot。こんにちは、Claude。
ワークフロー移行のロードマップ
決断した以上、行動は迅速に行います。GitHubの個人プランは月単位の契約であるため、忘れないうちにサブスクリプションの解約手配を済ませました。本来、GitHubでは解約手続きを行っても次の更新日まではそのまま利用可能なのですが、プラン変更の移行期間の特別処理で即時解約となり、残期間は返金対応となりました。
一方、Claude Proは申し込んだその日から起算して月額請求が発生する仕様です。数日間は使う予定がないので、無駄な固定費を避けるべく、次のプロジェクトのコーディング開始日にClaudeの契約ボタンを押す予定です。
「ツールの習熟期間は足りるのか?」と心配されるかもしれませんが、全く問題ありません。
実はAnthropicの提供する「Claude Code」(CLIツール)自体はインストール済みです。そしてこの1ヶ月、私のメインコーディングツールは「Copilot CLI」でした。CUIでの開発に完全に身体が慣れているため、CLIツールが少し変わったところで、日々のワークフローは大して変わりません。コマンドの叩き方を少しスイッチするだけなので、わざわざ練習期間を設ける必要はない、と踏んでいます。
変化を恐れず、常に最適な道具を
これまで当サイトでは、さんざんGitHub Copilotの便利さを称え、推し記事を量産してきました。その過去の発言との矛盾に後ろ髪を引かれる思いが全くないと言えば嘘になります。しかし、機能が変わらないまま「600%の値上げ」となる現実を前に、感情論でサンクコストに縛られるのはプロのエンジニアではありません。
定額使い放題という「AIのボーナスタイム」が終わり、ルールが変わったのであれば、私たち開発者もまた、自身の防衛策とワークフローをアップデートするだけです。
6月以降、実際にClaudeへ完全移行してみて、開発効率がどう変わったのか、CLIツールとしての「Claude Code」の使い心地はどうなのか、またリアルな使用感をレポートしたいと思います。ぜひ、お楽しみに。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、みなさんも良いAIコーディングライフを!



