Copilotの大移行を観測する ー Android BingとデスクトップCopilotの履歴分断から見えてきたもの

みなさん、こんにちは。

私は普段、メインのAIアシスタントとしてMicrosoft Copilotを愛用しています。Edgeブラウザのサイドバー(Copilot Web)やデスクトップ・タブレットのCopilotアプリ、そしてAndroidスマホのBingアプリで会話を行い、履歴を同期しながら使うのが毎日の日常でした。

しかし、シルバーウィークが終わった2024年9月24日、ある異変に気づいたのです。

「……あれ? Androidとデスクトップで、会話の履歴が同期されていない……?」

連休中に外出先のスマホで話していた続きを、帰宅後にパソコンで確認しようとしたら、履歴が全く反映されていませんでした。

最初は「単なる不具合かな?」と思っていたのですが、詳しく調べていくうちにCopilotの基盤そのものが大きく変化(大移行)していることがわかりました。

今回は、私が実際に確認した事実と、そこから見えてきた推測を整理してお届けします!


実際に確認できた「7つの事実」

まずは、私が自分の環境で検証して分かった事実と公式発表された事実からご紹介します。

1. Android Bingとデスクトップで履歴が一致しない

きっかけは前述の通りです。「別のアカウントでログインしちゃったかな?」と疑いましたが、確認したところ以下の環境はすべて同じMicrosoftアカウントでした。

  • Android Bingアプリ
  • Copilot Web
  • Edge sidebar Copilot
  • Windows版 Copilotアプリ

2. デスクトップ側同士はしっかり同期している

一方で、 PC環境の仲間たち(Web、Edgeサイドバー、Windowsアプリ)の間では、履歴が完璧に一致していました。Windows環境でもLinux環境でも問題なく同期されます。

つまり、以下のようなイメージで分断が起きているようです。

【デスクトップ群(同期OK)】
 ├ Copilot Web
 ├ Edge Sidebar
 └ Windows App
      ≠
【スマホ環境(孤立)】
 └ Android Bing

3. 分断は9月20日前後に発生した?

履歴をさかのぼって確認してみると、変化のタイミングが見えてきました。

  • 9/19頃まで
    • 両方の環境で過去の会話が見える(共通履歴)
  • 9/20頃以降
    • Android Bingで話した内容はAndroidに、デスクトップで話した内容はデスクトップにしか残らない

4. 同じ会話から続けても、途中で「分岐」してしまう

さらに面白かったのがこの現象です。

9/19以前に作成した「共通の過去会話」を開き、デスクトップ側から続きを返信してみると、デスクトップには発言が追加されますが、Android Bingには一向に反映されません。 逆もまた然りでした。

[過去の共通会話]
  │
  ├─ Desktopで続行 ──> Desktopだけに保存される
  │
  └─ Androidで続行 ──> Androidだけに保存される

同じ会話IDを追っているはずなのに、完全にスレッドが枝分かれしてしまっているようです。

5. Androidブラウザ版からアクセスすると「初回利用」扱いに

Bingアプリではなく「スマホのブラウザ」からアクセスすれば解決するかも?と思い試してみたところ、同じアカウントなのに生年月日や居住地の入力を求められ、履歴も空っぽの初回利用状態になってしまいました。

さらに別の日、再びスマホのブラウザからログインを試みると、今度はアプリストアへ強制誘導され、しかも肝心の対象アプリが見当たらない状態に。モバイル周りの導線や認証挙動が全体的に不安定になっていることが伺えます。

6. 共有リンクの挙動と、UIの大きな変化

なんとか同期する方法がないかと考え、Android版Bingから発行した会話の共有リンクをデスクトップで開いてみたのですが、「有効期限が切れています」と表示され、同期できませんでした。しかし、Androidのブラウザではリンクが開け、なんとデスクトップ側に会話が出現したのです!(※しかし、同期というよりコピーされてしまったようで、その後の会話は相互反映されませんでした)

さらに同時期、デスクトップ版CopilotのUIにも大きな変化が起きています。

  • 消えたもの
    • Smartモード / Think Deeper / @によるタブ指定
  • 追加されたもの
    • 検索機能 / OneDrive統合検索 / 「チャット検索は近日公開」の表示

7. Copilot基盤の大規模な刷新が行われている

Microsoftは米国時間9月25日に、AIアシスタント「Microsoft Copilot」のアプリを大きく作り直すと発表しています。この刷新の影響を私のアカウントが受けているものと思われます。

参考:Microsoft、「Copilot」を刷新 「仕事のための新しいOS」とナデラCEO(ITmedia)


観測結果から考えられる「3つの推測」

ここからは、これらの事実をもとにした私の推測(仮説)です!

推測① 新旧の異なる基盤を参照している?

おそらく現在のCopilotは、以下のように新旧のシステムが混在しているのではないでしょうか。

【旧系統?】 Android Bing
【新系統?】 Copilot Web / Edge Sidebar / Windows App

モバイル側の対応が完了するまで、一時的に新旧でデータが別れている可能性があります。

推測② 会話履歴ではなく「スレッド自体」が分岐している

同じ会話の続きが相互に反映されない点から、単に「履歴のリストが取れていない」のではなく、データ構造のレベルでスレッドそのものが別物に枝分かれしてしまっているように見えます。

推測③ 共有機能も移行作業の真っ最中

共有リンクのエラーや挙動の不整合についても、認証仕様やデータ参照先が変更されている過渡期だからこそ起きている現象かもしれません。


今後の観察ポイントとまとめ

一番気になっているのは、予告されている「チャット検索機能」が正式リリースされたときに何が起きるかです。

もしデータ基盤の統合が最終的な目的なら、検索機能の完成とともにAndroid側の履歴とデスクトップ側の履歴が再び統合される可能性があります。逆にこのまま何も変わらなければ、現行Bingアプリが廃止された時点でモバイル側の一定期間の会話は破棄され、新アプリが登場して現行のデスクトップ側の履歴に統合されていくのかもしれません。

今回確認できたことを改めてまとめます。

  • 9/20前後を境に履歴の同期挙動が変化した
  • デスクトップ同士は同期するが、Android Bingだけ孤立している
  • 同じ会話の続きを行っても、相互反映されずスレッドが分岐する
  • モード廃止やOneDrive連携など、PC側のUIや機能が大きく変わった

現時点での私の結論としては、単なる一時的な「同期トラブル」というよりも、「Copilotというプラットフォーム自体が大きく生まれ変わる途中で起きている現象」と捉えるのが一番しっくりきています。個人的には@で複数タブを読み込ませることができなくなってしまったのが非常に残念です。この機能が廃止されるのなら、Chromeに全面的に移行する選択肢もありだと思っています。

このような基盤刷新は、ユーザーを限定して段階的に行われることが普通なので、私と同じような状況にこれから遭遇する人が出てきても不思議ではありません。みなさんも気を付けてください。

私自身としては、今後、チャット検索機能が解禁されたときにこの仮説がどうなるのか、引き続きウォッチしていきたいと思います!

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、よいCopilotライフを!


今回のような検証、「うちの環境ではどうなんだろう?」と気になった方はいませんか。

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カテゴリ: その他, 開発インフラ

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